伝統工芸士の油布昌孝氏が手渡す

油布昌孝氏(右)が
明豊野球部の岡田晴樹前主将に寄贈した
夏の甲子園で頑張る部員の顔を思い出しながら
六つ目編みボール入れを作る
油布昌孝氏=8月9日撮影

 伝統工芸士の油布昌孝氏=雅号、油布昌伯=が製作した六つ目編みボール入れ5個を5日午前10時30分、明豊高校野球部に寄贈した。
 第107回全国高校野球選手権大会における明豊高校野球部の健闘を称えるために行った。
 明豊高校から岩武茂代校長、川崎絢平野球部監督、岡田晴樹前主将が出席した。
 油布氏は長さ2㍍のヒゴを18本使った六つ目編みボール入れは、明豊戦が放送されたNHKの中継の際に、ふるさと紹介VTRの中で製作をしていた光景が映し出された。
 寄贈式で、「何を作ろうか、何をプレゼントしようか考えた。私の子どもが小学校に入ったとき、玉入れの籠を2、3つ差し上げたことがあります。あの大舞台に立つ人間が使う玉入れが2つでは足りないので、5つにしました」とあいさつした油布氏がボール入れを岡田前主将に手渡した。
 岩武校長が「立派なものをたくさんいただきまして、ボールを入れるのがもったいないようなもの。野球部の方で、大切に使わせていただきます」。
 川崎監督は「生徒も多くの人に応援していただいて、また帰って来てからもこういう形ですばらしいものをいただき、感謝しています。これから用途はいろんなものに使わせていただきたいと思います」。
 岡田前主将は「今回、素晴らしいものをいただけて、後輩たちもこのいただいたものを使って、練習を頑張っていくと思います。これからも明豊高校の応援をよろしくお願いします」とそれぞれ謝辞を述べた。
 油布氏は1941年生まれ。60年に父・竹龍に師事。88年に伝統工芸士(別府竹細工)に認定される。2011年に大分県功労賞、17年に別府市技能功労賞、20年に伝統的工芸品作業功労者等九州経済産業局長表彰をそれぞれ受けている。