
日出町歴史資料館講座「館長の古文書学」が4日、開講した。全12回で、13人が参加した。講師は、平井義人町歴史資料館・町帆足萬里記念館長。
歴史・文化財を研究する上で、古文書は欠かせないもの。体系的に取り扱うことで史料の基本的な知識と読解力などの習得が目的。また、講座を通して、資料館の学芸業務の1つである史料整理のサポートを行うボランティアスタッフの育成を目指している。
初回は「史料の姿」をテーマに行われた。「よくアーカイブスと言われるが、記録史料そのものと史料収蔵施設の意味もある」とし、事例として県内の高校が閉校する時に廃棄予定の学校資料を引き取りたいとお願いすると、あったのは図書ばかり。「学校日誌は廃棄されていた。個人情報の問題もあるかもしれないが、図書館のように不特定多数の人に見せるわけではない。歴史的資料として貴重なものが残っていないのが現状」と話した。
「記録史料は、手書きや印刷物であっても希少な二つとない記録、年代(時期)・日付が書かれているまたは読み取れるもの、事実(出来事)は読み取れるものが揃っていることに意味がある」。
また、死骸改証文(死亡届)の古文書を読み解き「江戸時代は書き順はバラバラなので、筆遣いで読み取ることができる。歴史用語が分かっていると、文書は読みやすい」などと解説した。