別府地獄組合長

愛読書は「水滸伝」

上月 敬一郎(こうづき けいいちろう)さん(77)

 去る6月30日の臨時総会で松田隆組合長からバトンタッチされた。副組合長を長年務めており、順当な人事とみられている。
 別府地獄組合(7地獄)は年間100万人以上の集客力がある別府を代表する観光施設。今年の夏の観光はインバウンド(外国人客)が好調だったと振り返る。「7月、8月はクルーズ
船の入港が多く、2千人、3千人の乗客が大型バスで鉄輪観光をしてくれた。欧米のお客さんが多かった反面、7月5日に大災害が起きるとのデマによる風評被害で香港は減りました。日本のお客さんは大阪・関西万博の方に足を延ばしたようです」という。
 昭和23年1月3日、流川通り2丁目にあった竹屋旅館の長男として生まれる。中部中、大分上野丘高から立教大学社会部産業関係学科を昭和45年3月に卒業。上月商事に勤務した後、鬼山グループに移り、平成9年9月から社長を務める。同23年春に藍綬褒章、同28年に文化の日県知事表彰された。
 父親の上月大八郎氏は元別府市議会議長、おじの宇都宮秀綱氏は元県議会議員、元自民党別府市連会長で別府地獄組合長も務めた。政治の表も裏も見て来た。
 趣味を尋ねると「うーん」と腕を組んで「昔は読書だったけど、最近は目が悪くなってね」との答えが返ってきたが、好きな作家は北方謙三「水滸伝」、浅田次郎「蒼穹の昴」と中国の歴史を描いた作品をあげた。
 77歳にしては若く見える。「老けた格好してたら銀行が金を貸してくれんのじゃ」と笑わせる。愛妻明美さんは鬼山ホテルの女将。ニックネームは「敬ちゃん」。