別府税務署長

アフター5は温泉めぐり

谷口 孝秀(たにぐち たかひで)さん(58)

 平成27年から1年間、総務課長として勤務したことがあり、10年ぶり2回目の別府税務署だ。
 この年、熊本地震が起きて熊本・大分両県で大勢の犠牲者を出し、別府市でも震度6弱を記録した。
 「熊本市内に自宅があり、ハローキティが好きだった、まだ幼い娘をつれて家族で日出のハーモニーランドで遊んだものです。そして別府に宿泊するというお決まりの観光コースです」と別府への愛着を語る。
 別府税務署が最も力を入れていることは、この2年間で「キャッシュレス納付」の割合を5割にすること。国税の納付は納税者の利便性向上と現金管理に伴うコスト縮減からIT化やデジタル化が急ピッチで進んでおり、職員はもちろん、納税者も勉強が必要。
 キャッシュレス納付には、e―Taxによる口座振替である「ダイレクト納付」「インターネットバンキングによる電子納付」「振替納税」など5種類の納付手段があり、銀行や税務署に出向く手間や待ち時間、現金を準備する手間が不要といったメリットがある、と強調する。
 昭和42年7月6日、鹿児島県薩摩川内市生まれの58歳。公務員を目指し61年4月に税務大学校に入校した。数ある公務員の中で国税組織を選んだ理由は「試験合格後に一定期間、給料をもらいながら税法などの法律を学べることに魅了を感じたから」
 税務職員には高卒程度、大卒程度の試験区分がある。「就職を控えた若者は、ぜひ私たちの職場を選んでいただきたい」とリクルートにも熱心だ。
 主な略歴は、熊本国税局課税部個人課税課長補佐、杉並税務署副署長、中津税務署長、熊本国税局徴収部徴収課長を経て前任地が同部管理運営課長。
 趣味は時代小説で、池波正太郎「鬼平犯科帳」シリーズや、藤沢周平「蝉しぐれ」が愛読書。
 前回赴任時は「別府温泉にゆっくりつかる時間がなかった。別府のまちに116カ所ある共同温泉を少しでも多く堪能したい」とアフターファイブを楽しみにしている。
 孫氏の兵法書の一説「悲観的に準備して楽観的に行動する」が座右の銘。「急がば回れ」の考え方で、準備に時間をかけた方が結局は目標への近道という意味だそうだ。
 子どもは一人で、すでに独立して東京で働いている。夫人を熊本市の自宅に残し単身赴任。