別府市議会の令和7年第3回定例会⑦

 別府市議会の令和7年第3回定例会は25日午後1時、一般質問を午前中の途中で休憩に入った松川章三氏(自民新政会)から再開した。
 午後からは、松川氏と谷口和美氏(ビーワンべっぷ)が農業政策や教育、空き家対策などについて、執行部の考えを質した。
 一般質問は終了し、29日午前10時から本会議を再開し、上程中の議案について、各常任委員会や予算決算特別委員会の委員長報告、表決などを行う。

別府の農業政策は

松川章三氏(自民新政会)

松川 章三氏

 松川章三氏(自民新政会)は、現在の米不足について「生産と消費の需給バランスが崩れたことからなっている。市内農業の現状について、戸数と販売農家による主業農家と副業的農家数は」と質問。
 塩出政弘農林水産課長が「農林業センサスによると、2010年は490戸、2020年は353戸で約28%減。販売農家数による主業農家は2010年は102戸、2020は51戸で約50%減。副業的農家は2010年は139戸、2020年は103戸で約26%減」と説明。
 松川氏は「一番気になるのは、主業農家のこと。半減している。このままいくと、近い将来、別府市から主業農家がなくなるのではと思うほど危惧している。農林業センサスの年なので、結果によっては、思い切った政策を市が独自に打つか、政府に抜本的な農業政策の変換をお願いするしかない」と指摘。その上で「日本の農業を守るには、生産者目線の農政でないといけない。農家は所得が低い中、一生懸命頑張っている。安心して稲作していけるようにならないと、食の安全保障につながらない」とし、考えを質した。
 長野恭紘市長が「日本人にとってお米は特別な思いがあると思う。令和の米騒動になって、お米がクローズアップされている。国の根本的な農業政策が変わってくれると期待しているが、言い続けないといけない。やる気をもって稼げる農業に転換し、食に困らないようにしてほしいと思っている」と述べた。

包括的な性教育を

谷口和美氏(ビーワンべっぷ)

谷口 和美氏

 谷口和美氏(ビーワンべっぷ)は、包括的性教育について「アダルトサイトなどには、性犯罪につながるものが多い。子どもが人生において責任ある選択をするためには、包括的性教育が必要。どう捉えているか」と質問。
 藤内護学校教育課参事が「包括的性教育の理念を参考にし、健やかに成長できるように適切に取り組みたい」と答えた。
 谷口氏は「性教育は、表立ってするものではないという共通認識が出来ると、恥ずかしく誰にも言えず一人で抱え込み、性感染症などの病気や望まない妊娠など問題が深刻化する。幼い頃からの性教育が必要」と指摘。「命を大切にする意識と、性被害の加害者、被害者、傍観者にならないように文科省の命の安全教育を実施しているか。ガイドラインは」と質問。
 藤内参事が「自らの生命を尊重し、危険から身を守る内容を積極的に指導している。各学校によって学習指導要領を基盤に、県などの補助資料などを利用している」と答えた。
 寺岡悌二教育が「子どもたちを取り巻く社会環境、家庭環境は複雑、多様化している。SNSで性的情報に触れる機会は増えている。成長段階に応じて系統的な性教育を実施することが必要だと思う」と述べた。
 また、谷口氏は、「暴力や痴漢、虐待など声を出せない状況で助けてを伝えるためのサインとしてヘルプミーサインがある」とし、普及啓発を市教委に求めた。空き家対策などについても質問した。