追悼展「荒金大琳 書の世界」

オープニングセレモニーでテープカットする
荒金節子・大琳書道会代表(中央)ら
荒金大琳氏が昨年1月に病院から退院し
書き上げた作品(手前)などが展示されている

 別府市美術館(檜垣伸晶館長)主催、大琳書道会(荒金節子代表)協力の「追悼展『荒金大琳 書の世界』」が29日まで、別府市美術館2階企画展示室、ホワイエ、版画室、和室で開催している。入場無料。NPO法人大分県芸振、別府市美術協会、今日新聞社など後援。
 荒金大琳(信治)氏は、昭和22年生まれ。別府市立南小学校、山の手中学校、県立別府鶴見丘高校、大東文化大学文学科を卒業。46年に節子さんと結婚。すでに書道家として活動し、55年に「幽岳」から「大琳」に改号。その後も数々の賞を受賞し、揮毫、作品展出展、講義、出版などを行い、令和6年2月21日に別府市美術館運営協議会初代会長に就任するが、翌22日に急逝した。
 オープニングセレモニーで、主催者を代表して寺岡悌二別府市教育長(市長代理)が「大琳先生の声、お言葉などさまざまな思い出が甦ってきまして、今もなお、涙がこぼれるような状況です。先生からいただいた励ましのお言葉、別府市の芸術に対する熱い思い、市美術協会を中心に、日中関係等々外交的にも尽くしてくれた先生でした。追悼展を開催できることを喜んでいます」とさまざまな思いがこみ上げたのか声を震わせる場面もあった。続いて、寺岡教育長が長野恭紘別府市長のメッセージを代読した。
 荒金節子・大琳書道会代表が「こんな立派な展覧会を別府市でしていただいて嬉しく思います。大琳が亡くなって3回忌が済んだらと思っていたところ、別府市からお話しをいただきました。それを聞いたときに、どのような形になるか不安でしたが、この会場全部を使わせていただいて、ちょっと安心してくれるような展覧会ができたと思います。彼なりに精一杯生きてきて、幸せ者だったと思います」とあいさつ。
 来賓を代表して平野芳弘別府市美術協会長のあいさつ後、荒金代表、平野会長、寺岡教育長、矢野義知市教育部長、津川文隆市社会教育課長の5人がテープカットをして、追悼展が始まった。
 展示は、臨書98点(企画展示室)、創作53点(和室、企画展示室、ホワイエ)の計151点。また、年譜パネル、皿や壺などの陶器、写真、書籍なども展示。
 荒金代表は「夫は、しらしんけんな人。いろいろありましたが、振り返れば充実した人生を送らせてもらいました」と亡き夫への思いで締めくくった。