
メッセージを送ったmonさん
別府市教育委員会は、子育て応援講座拡大講演会「うまれてきてくれてありがとう~トーク&コンサート~」をこのほど、市公会堂で開催した。
講師は、大分市出身で旧別府商業高校の卒業生でもある子育てシンガーmonさん。叔父のにしきのあきらさんに憧れて、子どもの頃から歌手になることを目指していた。在日韓国人やADHD(注意欠陥多動性障害)であることからいじめられた経験も。現在は福岡県で2人の子どもを持つお母さん。
寺岡悌二教育長が「一人ひとりが認め合い、支え合うような学校づくりを進めていますが、残念ながら学校に行きづらさを感じている子どももいます。そんな中でも、誰一人取り残さないように取り組んでいます。monさんの経験を通じて子育てや命の大切さを学びたい」とあいさつ。
monさんは「6人兄弟の末っ子で、生まれた時は両親が焼肉屋をオープンしたばかりでおばあちゃんの家に預けられていました。おばあちゃんと2人で暮らし、とても幸せだったけど、小学校に行くということで家に戻ることになった。おばあちゃんとのコミュニケーションは韓国語だったので、急に日本語中心で言葉はよくわからないし、初めて見る兄や姉たち。学校では、やりたい時にやりたいことをやってしまうので、先生に怒られてばかり。先生も男の子も女の子も大嫌い。学校に居場所がなかった」と言う。
しかし、3年生になって担任の先生が変わり、自分の歌や絵をほめてくれてやりたいことを帰りの会でやることを提案してくれたことで、授業中は我慢が出来るよになった。「みんなが私の犬の鳴きまねを真似したりして、回りの子どもたちが変わっていって少しずつ仲良くなった。学校に居場所が出来た。大人次第なのだと思った。大人の価値観が子どもに移ることがある。みんなには、幸せに気づく子になってほしい、幸せのハードルが低い子になってほしい」と話し、透明感のある歌声で会場を魅了した。