
グループ別に協議を行った
退職校長会や現職校長会、教育委員会関係者で構成する、別府市教育懇話会(御手洗茂会長)は、令和7年度「別府市の教育を語る懇談会」を28日午後3時、市社会福祉会館で開催した。学校や教育関係者、保護者ら約100人が参加した。
同会は、別府市の教育に関する理解と関心を高めるために実施し、子どもたちに対する教育について考え、語り、行動する契機とすることを目的としている。
御手洗会長が「時々の状況に応じたテーマで、多くの人が別府の子どもたちのためにと話し合いが続けられてきました。ここ数年は、教育大綱を実現するために話し合ってきた。生きづらさ感じる子どもへの支援体制がどうあるべきか、基調講演をもとにグループで話し合いを深めてもらい、何かを得ることができればと思う」とあいさつ。
寺岡悌二市教育長は「中学校にも支援ルームが出来ました。それまでは、廊下の階段の下で勉強していて、その横を同級生が通るのは良くないと設置しました。校長先生には、まず『聴く』ことを中核にした学校運営をお願いしている。不登校になる前に教育のあり方を本気で考えないといけない」と述べた。
小原猛玖珠町立くす若草小中学校長が「玖珠町の挑戦~玖珠町立くす若草小中学校の取組を通じて~」と題して基調講演をした。くす若草小中学校は、「学びの多様化学校」として廃校となった小学校の校舎を利用して開校した。
「2023年までは、不登校特例校と言われていたが、制度の名前を変更した。『不登校』というキーワードを変えたことは、当事者の子ども、保護者らにとって大きい。現在は、21人が通っていますが、生徒数が増えるというのは、複雑な気持ちもある。大人や学校が子どものそれぞれの背景を見据えながら、私たちに出来ることがあるのではという発想を持っている教職員がいるのが特徴。人はそもそも違うという価値感をもって徹底的に対話することが大切で、対話という新設科目は影響が大きいと思う。とはいっても、いきなり自分の気持ちを話せるわけがない。パスを認める、パスという意見を尊重することを毎日コツコツ繰り返す中で、自分の気持ちを話す瞬間がくる。指導だけではなく伴走支援という関わり方に取り組んでいる。また、子どもが笑顔で過ごしている状況。それは、子どもに関わる教職員が笑顔だからだと思う」などと話した。
引き続き、「学校に行きづらさを感じている子どもたちへの支援体制のさらなる充実に向けて」をテーマにグループ別協議を行った。基調講演をもとに、先生と子どもたち、子どもたち同士、保護者と先生それぞれの対話の重要性について意見が出た。
