「全国棚田サミットin別府」開催

30回目となる棚田サミットが開催された
芝生広場では棚田マルシェが行われた

 第30回「全国棚田(千枚田)サミットin別府~棚田でウェル 想いと願いをコメて~」が1日午前9時半、ビーコンプラザで開催された。
 オープニングではひめやま幼稚園の園児が歌などで歓迎。
 開会式で全国棚田連絡協議会長代理の小相澤隆幸長野県上田市副市長が「担い手不足や高齢化、有害鳥獣など多くの課題がありますが、子どもたちに受け継いでいくために頑張っていかないといけない。令和の米騒動などと言われていますが、今後の予測はできない。サミットをみんなで成功に導いてもらいたい」とあいさつ。
 開催地の長野恭紘別府市長が「昨年の台風10号で甚大な被害を受け、棚田を諦める人が出るのではと思いましたが、使命感をもって棚田を守るという声だった。5つの素晴らしい棚田を見てもらいたい」と歓迎のことば。
 佐藤樹一郎大分県知事、来賓の古川康棚田振興議員連盟事務局長(衆議院議員)、岩屋毅衆議院議員、高橋謙司内閣府地方創生推進事務局長が祝辞を述べた。
 後藤利夫内成棚田の会会長が「内成棚田の保全維持活動について」と題して、事例発表。シンポジウムも行われた。
 さらに、▽棚田ツーリズムの未来形~観光・健康・地域再生をつなぐ~▽石垣の記憶、内成の現在(いま)~棚田から読み解く別府の景観史~▽農村と都市をつなぐ“おいしい交流”~棚田の風景を味に変える~▽スマート農業で次世代に残したい農の豊かさ、の4つのテーマで分科会もあった。
 サミットは事前申込をした人のみの参加だが、芝生広場では入場無料で「湯のまち棚田マルシェ」が行われた。棚田米の試食・販売や餅つき、餅まきや足湯、フードコーナーの他、ステージではダンスや和太鼓、書道パフォーマンスなどがあり、多くの人が訪れて賑わった。
 2日は、閉会式で共同宣言を行ったあと、7つのコースに分かれて、「つなぐ棚田遺産」に認定された市内5カ所の棚田や観光施設を巡る。棚田では、地域の人による歓迎が予定されている。