
助けれられた人から話を聞いてトリアージを行うなどした
別府市消防本部(浜崎仁孝消防長)は、令和7年度集団救急事故訓練を実施。消防本部、消防署、大分DMAT(新別府病院、鶴見病院、別府医療センター、大分大学医学部附属病院)、別府市医師会立別府青山看護学生約60人が参加した。
別府市救急業務計画に基づいて、集団救急事故時の対応を円滑に行うため、関係機関・団体と連携して訓練を行い、迅速な初動対応から災害医療派遣チームと連携を取り、事案収束まで組織体制が図れた活動を行うのが目的。また、昨年度の訓練で検証したタブレット端末等の情報共有ツールを活用し、医療機関への搬送調整が円滑に行えるかを検証した。
別府市内の中高層建物で火災が発生し、多くの人がケガなどがでた、との想定で行われた。消防本部にある訓練棟を火災が発生した建物とみなし、午後0時半に通報を受け、当直隊が出場。その後、非常招集隊も加わり、消火活動を行うとともに、はしご車が出場して建物の上層階に取り残された人を救助した。模擬患者役は、看護学生が務めた。
次々と救助された人に聞き取り調査をして、ケガの具合などをみてトリアージで優先順位を決めて腕にタグをつけていった。市リサイクル情報センターの裏手にエアーテントを2つ設置し、重症とされた人たちを担架に乗せて次々と運び込んだ。連絡を受けてかけて付けたDMATの医師が治療に当たり、その間に情報伝達ツールを使って別府中央病院、中村病院、黒木記念病院、内田病院と連絡を取り合いながら、患者の受け入れを整えていった。
多くの人が運ばれてきたため、救急車の出動が間に合わなかったり、病院側の受け入れ可能な人数調整なども起きたが、連携して全ての患者を搬送した。
訓練終了後、浜崎消防長が「最近では、佐賀関大規模火災や香港の建物火災など、消火活動と救急活動を同時に対応するような事案が起きています。より多くの人を助けるためトリアージを行うなど、困難な対応を強いられることがある。訓練は、顔の見える関係づくりのきっかけになると思う。反省点を踏まえ、アップデートしていきたい」と講評した。
