別府大学教職課程は「教職実践演習」を7日午後4時20分、別府大学32号館400番教室で開催し、教職課程履修中の3、4年生ら約100人が出席した。
講師は、2007年に沖縄で結成したお笑いコンビ「リップサービス」のツッコミ担当、17年から「せやろがいおじさん」としてYouTubeなどで社会問題に関する動画投稿をしている榎森耕助さん(34)。テーマは「メッセージを発信し届けること」。
榎森さんが「情報収集でSNSを使っていると思いますが、なぜ無料で使えるのかを考えたことがありますか。それは広告収入から収益を得ているからです」と話した。
SNSで得られる情報として▽フィルターバブル=インターネット上で泡(バブル)の中に包まれたように、自分の見たい情報しか見えなくなること▽確証バイアス=自分の考えを肯定する情報ばかり集める▽エコーチェンバー=自分と同じ意見があらゆる方向から返ってくる「反響室」のような狭いコミュニティで、同じような意見を見聞きし続けることによって、自分の意見が増幅・強化されること―の3点を挙げた。
対策として「自分と違う側の意見も検索してみる。自分と違う意見の人もフォローしてみる。信頼できるメディアを見つける」と説明した。
質疑応答では、学生の質問に榎森さんは丁寧に答えていた。
最後に、文学部教職課程の針塚瑞樹准教授が謝辞を述べた。
重光宏哉さん(20)=史学・文化財学科2年=は「とても面白かった。自分の意見をしっかり持っておくことの必要性を学びました」と述べた。