京都橘大学国際英語学部国際英語学科の瀬戸口亜里砂さん(21)=大分市出身=が、別府市にフォーカスしたSDGs(持続可能な開発目標)到達に向けた地方自治体の大学および大学生との連携のあり方について、卒業論文をまとめた。
瀬戸口さんは、ゼミでSDGsについて勉強をする中で、子どもの頃から馴染みがあり、日本有数の温泉地である別府市で、どのような取り組みが行われているかを卒論のテーマに選んだ。「多くの取り組みが、実態が伴っていないのに取り組んでいるように見せかける『SDGsウォッシュ』に陥っている中で、別府市は、そうならないように取り組んでいることが分かった」と話す。
その要因として、第4次別府市総合計画(令和2~9年)のすべての施策に、SDGsの17項目のどれに相当するのかが明示されていることや、KPI(目標値)を掲げることで、「進捗状況を把握し、SDGsウォッシュに陥らない努力をしている」としている。
また、温泉資源の利活用や保護について、大学の知見を活用していることや、企業と大学生との産官学の連携でタブロイド紙を作成したり、若い力と学術的な視点、新しい価値観で付加価値を加えることで、新しい観光地づくりをしていることを紹介。
「特筆すべきことは、持続可能なまちづくりにおいてイノベーションを創出するために、複数の大学および大学研究者・大学院生・学部生と連携活動を頻繁に実施していること」とし、別府市役所と大学の交流が盛んになることによる好循環への期待を示した。
瀬戸口さんは「多くの人が協力をしてくれて、まとめることが出来ました。関わって下さった皆さんに感謝しています。学生、学者、地域住民、市が一緒になって観光地づくりをしていると感じました」と話した。