議長に全会一致で市原隆生氏を選出

議長に選出されてあいさつをする市原氏

 別府市議会は令和4年第1回定例会本会議を22日午前10時から再開した。
 はじめに、荒金卓雄予算決算特別委員長が、上程中の令和4年度予算案について、新型コロナウイルス感染症対策をしながらの行政運営について「増額した予算規模を支えるだけの歳入見込みが確保されるか危惧される。今まで以上に財政規律を意識して、緊張感を持った財政運営を強く要望する」とし、「『決算認定審査意見書』及び委員長報告を尊重した予算編成、予算執行を心がけるとともに、持続可能な財政運営のため、経常収支の改善、基金残高の増額を目指し、適正な予算計上を行うことを求める。コロナ禍における市政運営は、今後も厳しい状況が続くと思いますが、議会と執行部がお互いの役割を自覚・尊重し、適度な距離を保ちつつ議論することで、効果的な行政運営が行われ、真の『公共の福祉』の実現につながるものと確信している」と報告。今後も、議会へのていねいな説明と議会審議の充実への協力も併せて要望した。
 平野文活氏(日本共産党議員団)が「新学校給食共同調理場は、『日本一美味しい給食』を目指すと強調しているが、炊きたてを食べられる自校式に勝てるわけはなく、アレルギー対応施設を別に作ることで費用がかさむ」などと反対討論を行った。表決の結果、一般会計予算、国民健康保険事業特別会計予算、介護保険事業特別会計予算、後期高齢者医療特別会計予算については、一部反対があり、多数決の結果、原案通り可決。その他は全会一致で可決された。
 引き続き、人事案件と令和3年度の一般会計と競輪事業特別会計、令和4年度一般会計の補正予算案が上程され、長野恭紘別府市長が提案理由を説明。今回の補正予算は、現在、旧山の手中学校に設置している別府市PCR検査センターを6月まで延長して開設するためのもの。人事案件は、人権擁護委員に小野正春氏(73)、徳田貴美子氏(73)、神宮千鶴氏(63)の推薦につき、意見を求めて同意された。市長専決処分についても報告。
 議員提出議案として、日名子敦子氏(自民党議員団)が「生理用品を軽減税率の対象にすることを求める意見書」、穴井宏二氏(公明党)が「地方創生と感染症対策に資するデジタル化の推進を求める意見書」を提出。日名子氏は「生理用品は贅沢品ではなく、多くの女性が安心して学び、働き、生活し、自己実現に必要不可欠なもの」と訴えた。穴井氏は、「子どもたちの学びの継続、医療への適時適切なアクセス、新しい分散型社会の構築、持続可能な地域の医療と介護、地方創生と感染症対策などに資するデジタル化の推進に特段の取り組みを」とした。採決では、全会一致で可決された。
 松川章三議長が議長を辞任。選挙を行い、全会一致で市原隆生氏(公明党)が選出された。退任した松川氏が「議員皆さんの温かいご理解とご協力で退任を迎えられた。職員には至らぬところを支えてもらいました。市長をはじめ、執行部には、円滑な議会運営のために様々に協力していただき、感謝します。在任中は、コロナの対応だった。大学との連携、タブレット導入の前倒しなど色々やってきたが、変化の時だったと思う。議長という貴重な体験をさせてもらった。今後の議会活動に生かしていきたい」。
 新議長の市原氏が「光栄で、身が引き締まる思いです。収束が見えないコロナの広がり、ロシアのウクライナ侵攻などが世界経済への影響はもとより、別府市においても市民の日常生活にも大きな影響を及ぼしています。このような状況下、市民の思いを受け止め、市政に反映することが求められている。松川前議長をはじめ、歴代議長が取り組んだ、開かれた議会を目指していきます」とそれぞれあいさつをした。長野市長が労いとお祝いの言葉を述べた。小野正明副議長は続投となった。
 議会運営委員会の任期満了に伴う委員の選任が行われ、本会議を休憩して、委員会を開き、委員長に野口哲男氏(自民党議員団)、副委員長に穴井氏が選ばれた。
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 本会議終了後、3月末で退職する部課長5人に対して、市原議長が「長年にわたり、行政に携わっていただきありがとございました。ご功績に心から感謝申し上げます。今後とも、本市発展のため、折に触れてご協力をお願いします」と労いの言葉をかけた。部課長を代表して、須﨑良一消防長が「身に余る労いの言葉をいただきました。私自身、管理職についてから自問自答を繰り返しながら、何とかここまでこられました。採用された頃は、よく失敗をしました。沢山の人に迷惑をかけましたが、失敗から多くのことを学び、多くのサポートを受けてきました。今後も経験を生かして、かかわらせてもらいたい」とお礼を述べた。