べっぷから偏見や差別を無くそう

考えに賛同した朝日中学生がカバンにシトラスリボンを付けている
朝日中学校PTAが賛同した
シトラスリボンプロジェクトのロゴ

 別府市立朝日中学校PTA(山中麻友会長)は、「べっぷから偏見や差別をなくそう」とシトラスリボンプロジェクトの活動を展開している。
 PTAが令和2年度に配布した「新型コロナウイルス感染症に係る偏見や差別を見抜く人権感覚のために」のリーフレットを見て、「偏見や差別、誹謗中傷などから子どもたちを守りたい」という趣旨から、シトラスリボンプロジェクトに賛同して活動していくことを決めた。
 シトラスリボンプロジェクトとは、コロナ禍で生まれた差別や偏見を無くしたいという思いから、愛媛県の有志グループが作った。愛媛県特産の柑橘にちなみ、シトラス色のリボンや専用ロゴを身に着けて「ただいま」「おかえり」の気持ちを表す活動を広めている。リボンやロゴで表現している3つの輪は「地域」「家庭」「職場もしくは学校」を表している。
 PTAが令和3年6月17日、朝日中学校生徒会執行部6人に対してプロジェクトの趣旨や活動テーマを説明。生徒会は意欲を見せて、プロジェクトを生徒会活動と連携していくことに合意した。
 その後、PTA執行部役員でシトラスリボンを試作。PTAから手渡された製作キット千個を生徒約450人がそれぞれリボン2個(1個は学校、1個は家庭で家族と会話しながら)製作した。完成した1個は自分のカバンなどに付けて意思表示、もう1個は朝日小と大平山小の6年生にプレゼント。朝日大平山地区公民館にも寄贈した。PTA・生徒・学校が一丸となっての活動となった。
 朝中PTAは、令和3年度および令和4年度の重点的取り組みに「シトラスリボンプロジェクトの推進」を掲げている。
 山中PTA会長は「新型コロナウイルスは誰が感染してもおかしくないし、ワクチンを打った打たない、他県の車のナンバーでも差別があるので、そこで偏見を持たないようにしようと思いました。新型コロナウイルスが治ったら『おかえり。これからも一緒に学校生活を送ろう』と言う気持ちを持つことが大事と感じました」。
 古田展久朝日中学校長は「多くの生徒がカバンにシトラスリボンを付けています。昨年度に配布しているので、新入生も付けています。今後、アンケートを取っていこうと思います。新型コロナウイルスを元にした同校生徒間のいじめや差別、偏見は聞いていません。今回の取り組みが、子どもたちの意識に中に入って行ってくれているなら嬉しい」とそれぞれ話している。