「ブルーラグーン」予算撤回を承認

ウェルネスツーリズム予算を検討した観光建設水道委員会

 令和4年第3回別府市議会定例会の追加本議会が16日午前10時、開会し、予算撤回の提案理由、一般会計補正予算2件の上程、提案理由説明、議案質疑、委員会が開かれた。
 はじめに、東洋のブルーラグーン構想を実現するための調査に関する予算の撤回理由を長野恭紘別府市長が「市民の皆さま方から温泉の枯渇などさまざまな不安の声をいただきました。こうした声を聴き、熟慮した結果、市民の皆さまが不安を持たれたまま実施することはできないものと判断しました。本議案の撤回について、議会の承認をお願いするものであります」と説明。
 別府市議会は全会一致で承認した。
 続いて、東洋のブルーラグーン構想を実現する公園を整備するための経費を減額した経費の計上、ウェルネスツーリズム推進事業の調査費の計上について理由を説明した。
 議案質疑として、松川章三議員(自民党議員団)が「新湯治ウェルネスをコンセプトとする拠点施設のあり方とはなにか」と質問。
 松屋益治郎建設部長が「施設については、医療、美容、健康などに特化した施設を検討しています」と答えた。
 「ブルーラグーンを取り下げて、新たにウェルネスツーリズムの予算を提出している。誰の発案で、庁内で検討したのか」と質すと、長野市長が「やりたい信念は変わっていない。未来に向けてやっていくべきこと。随時協議をし総意を取りながら、電話やリモートを入れると数百回になる」と答えた。
 「あまりにも拙速な感じがする。本議会ではなく、次の議会でもいいのでは」と質すと、長野市長が「与えられた任期は4年。市民との約束を守るために、12月に出すと残り3カ月となる。市民との約束は果たせないと感じ、ここがリミットだと思った」と答えた。
 森大輔議員(自民新政会)が「ブルーラグーン構想を変える訳では無く、名称を変えただけの印象がある。違いとしては鍋山に造らないということ。同じコンセプトのものを造るとは何か。ブルーラグーン構想の精神とは何か」と質問。長野市長は「当初は世界一大きい露天風呂を作ることを考えていたが、今は違う。3年前から考え方を変えたが、皆さんとの考え方の相違ができた」と答えた。
 「今回の事業はブルーラグーン構想のどの部分を継承するのか」と質すと、長野市長が「これまでとコンセプトは変わっていない。九州大学と連携して医学的なアプローチをしている。規模は与えられた環境の中で考える」と答えた。
 美馬恭子議員(日本共産党議員団)が「ホテルや旅館はお客さんを引き入れるのに、ウェルネス事業をしている。どうしてプランニングをする前に施設を作るのか」と質問。長野市長は「旅館やホテルがスパやヨガなどウェルネスをしている。将来、別府と聞いただけで『新湯治』と浮かぶように、町ぐるみでしていくことが大事。その核施設となる場所が必要。ウェルネスツーリズム事業を展開していく」と答えた。
 「いま拠点施設を作るのではなく、先にプランニングをするべきでは」と質すと、長野市長は「もっともなこと。データの管理や象徴的なものがあるのも必要」と答えた。
 泉武弘議員(行財政改革クラブ)が「非常に違和感を感じる。このようなことは初めて。どのような総括をしたのか」と質問。長野市長は「手続きは間違っていないと思う。しかし反対意見もあり市民の心に寄り添っていないと思い、変更しました」と答えた。
 「最初から無理だった。今日初めて撤回したのだが、1500万円の撤回する前に900万円の予算が各会派に説明されている。900万円の原資は、温泉を生業をしている人たちの税金が使われる。平等感をどう考えるのか」と質すと、長野市長が「色分けが出来ないので、一般的には市民の皆さんの税金を使い、最小の経費で最大の効果を出せるようにする」と答えた。
 議案質疑終了後、上程議案は3委員会に付託された。
 観光建設水道委員会(三重忠昭委員長)では、長野市長と建設部、同部都市計画課が議案を説明。各委員から意見などがあり、長野市長が答えた。その中で委員より「調査の結果を適宜、議会に説明してほしい」との提案があった。
 委員会では、賛成多数で可決するものとした。