別府市議会は、令和4年第3回定例会の一般質問を20日午後1時から再開した。
午後からは、穴井宏二氏(公明党)、泉武弘氏(行財政改革クラブ)、松川章三氏(自民党議員団)が未就園児の支援や、温泉施策、地産地消などについて、執行部の考えを質した。
未就園児への支援は
穴井宏二氏(公明党)
穴井氏は、未就園児への調査と支援について「条件を満たさず、希望しても通園が認められないケースもあるというが、別府市は何人ぐらいいるのか」と質問。
中西郁夫子育て支援課長は「4月1日現在で、未就園児は880人ぐらい。3歳未満が多いので、乳幼児健診などで困りごと、就園へのアンケート調査もしたい」と答えた。
穴井氏は「就学前児童の虐待相談は」と重ねて質問。中西課長が「令和3年度の相談で虐待は303件。0歳から就学前までが相談件数の約半数を占めている」。田辺裕市民福祉部長は「母子保健と連携した訪問、見守り強化事業などで支援を行っている。現状把握に努め、さらに効果的な施策に取り組んでいきたい」と述べた。
また、帯状疱疹ワクチン接種について、概要を質問。和田健二健康推進課長が「水疱瘡が治った後もウイルスが再活性化して痛みや水ぶくれなどになる。適切な治療を受けないと、長期間にわたり痛みが続くことがある」と説明。
穴井氏は、「50歳過ぎると発症率が上がる」と指摘し、ワクチンの種類と金額についても質問。
和田課長は「全額自己負担で、自由診療なので医療機関によって違うが、生ワクチンは1回で1万円前後、不活化ワクチンは2回で1回2万円前後」と説明。穴井氏は「公費負担は県内では、国東市がやっている。長寿社会が進む中で、助成をしてほしい」と要望した。
地産地消実現へ具体策は
泉武弘氏(行財政改革クラブ)
泉氏は「都市づくりの中で、若い人の力は必要だと思う」とし、「7月にAPUの授業に出させてもらった。学生から別府について直接きいた。バス代が高い、酔っ払いに日本から消えろと言われた、反対の意見をいったら殴られた、盗難が多いからと自転車をチェックされ1時間近く持ち物を見られたなどの声があった。一番ショックを受けたのは、外国人への差別が見て取れること」とし、考えを質した。
長野恭紘別府市長は「コロナの出始めの頃、感染した学生、特定の国に対して、名指しで入ってくるなということがあり、厳重に抗議した。そういう思いをした留学生には申し訳ない。一方で、別府は多様な町で素晴らしい街という思いを持っている人もいる。啓発活動をしていく必要がある」と述べた。
泉氏は、学生がさらに地域住民との交流を望んでいることを指摘した。
また、学校給食の地産地消について、「新しい共同調理場が令和5年9月に開設される予定だが、すでに生産農家の作づけ面積、地域、品種の協議が整ってないと、市内の地産地消が具体化しないのではないか。教育委員会は実態を見ていない。地産地消を訴えるなら、今年度中に本協議をしないと言葉だけになる」とした。
長野市長は「基本的には、今の段階で協議が必要だと思う。ただ、食育や地産地消は調理場が出来てゴールではない。時間をかけて戦略的にやっていきたい」と述べた。
熱の湯の有料化は
松川章三氏(自民党議員団)
松川氏は、鉄輪の熱の湯の現状について質問。樋田英彦温泉課長が「番台を設置していないので、年間の利用者は把握できていないが、1日の利用状況を調査した結果、平日は413人、休日は415人だった」と答えた。
松川氏は「温泉も駐車場もすべても無料。有料化を検討したことは」と重ねて質問。
樋田課長が「地元の自治委員から要望書をもらっている。鉄輪地区にある駐車場の有料化の実現に向けて取り組みをしているが、国の補助事業なので国庫への返還金の可能性など県と相談してやっていく。方針や時期が決まれば報告する」と答えた。
松川氏は「早く国に確認をして回答すべき」と早期の対応を促した。
また、地産地消について「日本の自給率は37%ぐらいだと言われている、世界の食料事情もロシアの侵攻や世界人口の増加で食料不足が進んでいる。金のある国にない国が買い負けをしている。別府市も第1次産業は苦しい状況。このままでは、将来を見通せないところまで追い込まれている、現在の取り組み、今後、目指すべきものは」と質問。
奥茂夫教育政策課長が「食育の推進と地産地消の推進に取り組んでおり、利用促進に向けて取り組みたい、農家も相当な努力が必要だが、市が本気でやろうということになれば、みんな一緒になってやろうということになる。5年以内に何とかしなければ、大変なことになる」と危機感を示した。