聴覚に障がいのあるコバレンコさん受入

翻訳アプリを使って長野市長と会話するコバレンコさん(中央)

 社会福祉法人太陽の家(山下達郎理事長)は、ロシアの侵攻から逃れてきたウクライナの避難者で聴覚に障がいのあるコバレンコ・バーディムさん(50)を受け入れている。17日午前10時、長野恭紘別府市長を表敬訪問した。
 コバレンコさんは、首都キーウから南西にあるウクライナ中西部にあるヴィーンヌィツャ市で木材工場でフォークリフトの運転手をして生活をしていた。ポーランドの避難所から日本へ。太陽の家では、ウクライナの障がいのある人で日本への避難を希望する人の受け入れを出入国管理庁に申し出ていた。コバレンコさんの話を聞き、身元引受人となった。ウクライナの障がいのある人を民間の社会福祉法人が身元引受人となって、直接受け入れるのは初めて。現在は、日本での生活に慣れるための支援を受けていて、今後、就職もしたい意向。
 山下理事長が「今年に入って、何か出来ないかと考えていました。中村裕博士なら受け入れたのではないかと考えました。コミュニケーションは翻訳アプリで問題ない。4人までは受け入れようと考えています」と話した。
 長野市長は「これまで本当に大変だったと思います。日本で、文化も習慣も違い、生活に不安もあると思います。何でも相談してほしい。これまで、23人のウクライナから避難をした人がいます。市民や避難者と交流を深め、早く慣れて安心して生活してもらいたい」とあいさつ。
 コバレンコさんは、翻訳アプリを使って「感謝と同時に、障がい者への支援プログラムの素晴らしさに驚いています。障がい者への尊厳の念が一番うれしい。今後は、太陽の家を拠点に、日本で暮らしたい」とした。奥さんも聴覚に障があり、今もウクライナを離れる決心がつかずにいるが、いずれ日本に呼びたいと考えているという。コバレンコさんが趣味で作った折り紙を長野市長にプレゼントした。