楠銀天街検討委員会(吉田隆委員長、14人)は、今後の方針について、6日午後3時45分、長野恭紘別府市長を訪れてまとめを報告し、アーケード撤去など市の支援を訴えた。
楠銀天街のアーケードは、昭和28年に設置され、全長428㍍で、当時は日本一の長さだったと言われている。現在のアーケードは、昭和40年代頃のものとみられるが、北は流川通りから南は永石通りまで約350㍍ある。老朽化が著しく撤去が喫緊の課題となっているが、アーケードは商店街の所有のため、基本的には所有者が管理する必要がある。しかし、空き店舗や空き地、住宅化が進み、くすぎん通り会としても、維持管理が難しい状況が続いている。
これらの課題を解決し、賑わいを創生するため、地域の課題解決に複数の自治会で取り組んでいる「南部ひとまもり・まちまもり協議会」が中心となって、検討委員会を立ち上げ、これまで4回の協議を行った。
結果、「地域と調和し、安全で多様性のあるまちづくり」を共通テーマとして▽安全なまちづくり▽新しいまちづくり▽歴史や地域資源を活かしたまちづくり▽多様性のあるまちづくり▽様々な手法によるまちづくり▽地域と調和したまちづくりー方向性として掲げた。
今後は、新たな組織づくりを進めながら、沿道の土地、建物所有者等の協力を得ながら、市と連携して共通テーマの実現を目指したい考え。具体的には、地域と連携して、マルシェなどのイベントを開催したり、新規事業者の誘致、SNSなどを活用した通りのPR活動、アートを活かした取り組みなどを行い、賑わいを創生していく。検討委員会は、南部ひと・まち協議会の部会として、取り組みを進める。
一方で、アーケードの解体については、費用がどれほどかかるか見積もりなどはしていないが、多額の費用が必要になることが予想されるため、市への支援を求めている。
吉田委員長が「アーケードの老朽化が進み、危険性が高まっています。近隣住民の安全安心のため南部地区復活のため、協議を重ねてまとめました」とあいさつ。今後の方針をまとめた冊子を長野市長に手渡した。木下勇事務局長が概要を説明した。
長野市長は「南部ひと・まち協議会が中心となって、地域の課題解決をしたいという強い意思を持ってもらった。安全が急務だと思う。市としては、どこまで手を出したらよいのか、悩ましいところ。根本的な安全対策をしないと、次には進めない状況だと思う。私たちに出来ることは協力したい。お互いに協力をして、地域が誇りに思えるスペースを作っていければと思う」と述べた。