新規雇用や社内外教育等について質問

景況調査を発表した別府商工会議所

 別府商工会議所は9日、1月から3月の企業景況調査を発表した。今回で38回目。
 今回の調査では「新規雇用や社内外教育、福利厚生などに関する課題や社内で実施できない理由等」に関する質問に、全業種の回答状況について、新規雇用を「する」とした割合は15・4%。「検討中」も含めると30・8%、OFF―JTは16・4%と判断できる。一方で「しない」は57・1%と高く、先行き不安感が新規雇用を躊躇させている。また資金繰りや収益状況も着実に改善しているものの、雇用人員は悪化の動きがみられる。
 市内の会議所会員100社に、調査票を発送し回答を得た。調査項目は売上高、売上単価、資金繰り、借入難度、収益状況、雇用人員、自社の業況判断。
 ▽売上高=総合のDI(※DIとは、企業が「良い」と回答した割合から「悪い」と回答した割合を引いた数値。数値が高いほど良好)は大きな改善を果たした。今回の調査の結果、来期見通しは28・0となり、経営者はさらに売上高の改善が進むと予想している。
 ▽売上単価=ここ数回の調査で大きな改善が見られていたが、今回の調査では一服感を漂わせ始めた。総合の今期は22・0だったが、前回は31・0だった。3つの大分類でも今期実績は前期実績より落としている。
 ▽資金繰り=インバウンド需要の盛り上がりという好材料もある中で、コロナの5類移行等による経営の不透明感が予想されるために、より慎重な判断をしている経営者の姿が浮かび上がっている。
 ▽借入難度=総合では今期マイナス5・0と前期より6・0ポイント改善した。来期見通しはマイナス4・0とわずかであるが改善傾向を維持した。
 ▽収益状況(経常利益)=総合ではマイナス2・0と前回よりわずかに改善した。大分類では前回比でもの造り関連が10・0ポイント、卸・小売業関連が7・5ポイント改善しているが、サービス業関連はプラスだが前回比で7・5ポイント悪化している。
 ▽雇用人員=総合はマイナス30を基準に調査ごとに増減している現状が浮かび上がっている。労働力の質も重要だが量の確保がより切実であることを調査結果から窺い知ることができる。
 ▽自社の業況判断=総合で9・0と前回の7・0を若干上回った。宿泊業は70・0(前回50・0)であり絶好調に近い実績値となった。