別府国際観光港みなとづくり協議会(奥村伸幸会長)らは12日午前9時、長野恭紘別府市長を訪れ、災害時だけではなく、平時にも活用できる多言語アプリ「みなとオアシス安全・安心マップ」を開発したことを報告した。国土交通省の「訪日外国人旅行者受入環境整備緊急支援事業」の補助金を受けている。
アフターコロナで、訪日外国人観光客も増えているが、災害が発生した場合、不慣れな土地での避難は困難が予想される。アプリでは、日本語の他に、英語や韓国語など多言語で、災害緊急速報、自治体が指定する最寄りの避難所へのルート案内、医療機関の表示などの情報が得られる。
平時には、観光マップとして活用したり、イベント情報の提供もでき、QRコードではアンケート調査も可能だという。
協議会も登録されている「みなとオアシス」は、国土交通省港湾局長が登録した団体。地域住民の交流や観光の振興を通じた地域の活性化に資する「みなと」を核としたまちづくりを促進するため、住民参加による地域振興の取り組みが継続的に行われる施設が登録されている。全国で約150カ所が登録されており、全体で導入すれば、全国一斉に各地のトピックスの提供が出来るようになる。
奥村会長が、実際に操作をしてみせて「立命館アジア太平洋大学の学生の意見を聞くなどして作りました。災害時はもちろんですが、平時にも使ってもらえるものにしました。他国に観光に訪れた際に災害に遭うと、どこに逃げればいいか分からない。多くの人に使ってもらいたい。将来的には、全国に展開し、みなとオアシスで共同運用していければ」と話した。
長野市長は「命を守る行動を瞬時にとる体制ができ、安全安心につながると期待しています」とした。
アプリは、7月2日からまずは別府市から運用を開始する。