別府警察署は25日、特殊詐欺(架空料金請求詐欺)被害の発生を発表した。
市内在住の女性(75)方の固定電話に6月21日、「トヨタホーム」を名乗る男から「福祉施設に優先的に入居できる権利に当選しました」などと電話があった。女性が入居を断ると相手の男から「権利を他の人に譲ってもよいか」などと言われ、女性はこれを承諾した。その後、女性方の固定電話に大手総合建設会社、弁護士、金融庁職員を名乗る男からそれぞれ「名義貸しは犯罪になる。キャンセルするには1千万円を支払う必要がある」「家宅捜索が入る可能性がある。家宅捜索を免れるためには供託金を支払う必要がある」などとだまされた。6月22日から7月13日までの間、宅配便で現金を送付する方法で、複数回にわたり、合計約1100万円をだまし取られた。
相手と連絡が取れなくなった7月20日、別府署に相談し被害が発覚した。
同署は「相手は『時間が無い』や『今日中』など慌てさせて冷静な判断をさせないようにするなどし、お金の話をしてくる。お金の話が出たら詐欺を疑い、家族や警察に相談してください。また『名義貸しは犯罪になる』などという言葉で不安にさせるのが手口の特徴です。犯人と話をしない対策として、ナンバー・ディスプレイ、ナンバー・リクエストのサービス利用が有効」と呼びかけている。
別府署管内で今年に入り7月25日までの特殊詐欺の被害は今回を含め、13件約1400万円となった。