別府市議会の令和5年第3回定例会

上程中の議案について、各委員長が報告を行った

 別府市議会は、令和5年第3回定例会の本会議を26日午前10時開き、上程中の議案について、採決を行った。
 各委員長から審査報告が行われた。森山義治総務企画消防委員長が「内竈コミュニティーセンターのトイレを多目的トイレに改修するため、施設整備工事費に対し、委員から内竈コミュニティーセンターだけではなく、他の公共施設のバリアフリー化をどのように進めていくかという質疑があり、当局から計画的に進めていく必要があるとの答弁がなされた。財政課関係部分では、関連事業の補正計上に伴い、財源としての別府市公共施設再編整備基金繰入金の減額、及びべっぷ未来共創基金繰入金の追加額を計上するなどの説明があった」。
 穴井宏二観光建設水道委員長が「都市計画課関係では、昨年度から南部ひとまもり・まちまもり協議会が地域の課題として楠銀天街について議論を重ね、今後の持続可能なまちづくりを進めていくということを示し、国の補助金についても目途がたったことに伴い、地域が主体となった南部の新しいまちづくりを支援するため、『楠銀天街』のアーケードの撤去や道路整備の経費を補正計上しようとするものとの説明がなされた。パークPFI事業上人ヶ浜公園整備運営事に関する請願については、事業計画確定後も詳細設計ができてから内容が確定する部分があることを踏まえ、当局に対し、今後も事業の進捗状況を適宜議会へ報告するとともに市民等への情報提供を丁寧に行うよう努めることの意見を付す」とし、請願は不採択とすることを説明。
 安部一郎厚生環境教育委員長が「スポーツ推進課関係部分では、安全・安心・快適に利用できるよう野口原総合運動場や実相寺中央公園内体育施設の改修費等を計上しているとの説明に対し、委員から、実相寺サッカー競技場の観客席も危険な状態であるが、改修の対象ではないのかとの質疑がなされ、当局から、別途財政課と協議し、早期に改善できるよう調整を進めている旨の答弁がなされた」といずれも原案通り可決すべきものとした。
 このあと討論が行われ、松川章三氏(自民新政会)が、請願について「上人ケ浜公園の整備に反対しているのではない。請願者や市民が心配していることを理解し、改善すべきところは改善するようにするのが議会に求められている。まだ心配は払拭されておらず、請願を採択しなければ、改善を求めることが難しくなるのではないか。請願の思いを組んでもらい、賛成の意思を示してほしい」と賛成討論を行った。採決の結果、請願の採択は賛成少数で不採択となり、その他の決算以外の議案については原案とおり可決した。
 吉冨英三郎予算決算特別委員長が「各事務事業を行うにあたっては、事業内容の精査・費用対効果の検証を十分に行い、本意見書及び委員会での意見を令和6年度の当初予算編成に反映することを要望するとともに、予算審議と決算審査の循環性を図るため、令和6年予算決算特別委員会(令和5年度決算認定審査)において、その取り組みについての回答を求める」と報告した。
 討論では、泉武弘氏(行財政改革クラブ)が「一般社団法人の給料や賃金などをなぜ市民が負担しないといけないのか。市民の理解を得ることは到底できない。問題は、価格競争のない特定の相手を選ぶ、随意契約であり、39件のうち、19件をさらに他事業者に再委託しているということ」とし、ビービズリンクへの負担金などに関する決算に反対の意思を示した。
 美馬恭子氏(日本共産党)が「国民健康保険特別会計の基金残高は、16億円以上になっている。今後の改定に必要と言われているが、ここまで積み上げることはない。加入者へ還元すべき」とし、介護保険事業特別会計についても反対をした。採決の結果、一般会計決算、国民健康保険事業特別会計決算、介護保険事業特別会計決算については反対があり、多数決を行い、すべての議案を原案とおり認定した。
 追加議案として、今年の3月定例会で議決を受けている、屋内運動場等空調設備整備事業の工事請負契約について、幼稚園のホール等の空調設備を新たに設置することで追加額が生じるため、議決事項の変更を上程し、可決された。また、人事案件として、固定資産評価審査委員に菅雅幸氏、鈴木義弘氏。人権擁護委員に安達美和子氏、伊藤貞之氏、河野重義氏、小野清美氏。職員懲戒審査委員員に市議の穴井宏二氏、森山義治氏、安部一郎氏、柏木正義総務部長、安部政信企画戦略部長をそれぞれ提案し、同意した。
 阿部万寿夫副市長が、健全化判断比率、資金不足比率、市長専決処分について報告をした。
 議員提出議案の下水サーベイランス(疫学調査)事業の実施を求める意見書と地方財政の充実・強化に関する意見書について可決。現行の健康保険証を廃止しないで引き続き使えることを求める意見書は否決された。
 定例市議会はすべての日程を終了し、閉会した。