別府市照波園町の黒木記念病院(黒木健次理事長、226床)は7日、創立70周年記念式典をビーコンプラザで開催した。来賓22人と511人いる病院職員のうち勤務者を除く322人が出席した。
昭和28年10月、黒木健夫初代理事長が黒木医院(12床)を開設したのが始まり。整形外科専門でとくに当時では珍しい「スポーツドクター」の第一人者として名声を誇った。「古希」を迎えた現在では整形外科、リウマチ科、リハビリテーション科、内科、消化器内科、循環器内科、呼吸器内科、外科、麻酔科、放射線科、皮膚科、神経内科の12科を備える地域の大病院に発展。
さらに「総合ケアセンターくろき」は居宅介護支援センター、訪問看護ステーション、住宅型有料老人ホーム、障がい者ケアサポートセンター、デイサービスセンター、ヘルパーステーション、看護小規模多機能型居宅介護、居宅介護支援事業所の8事業を展開している。
式典では黒木理事長が「70年の間、病院経営は順風満帆とはいえず、さまざまな場面で対応を行い、徐々に経営も安定してきました。平成25年10月には60周年記念式典を開催し、60年の歴史や沿革に関して報告しました。『病院経営も安定し、今後はさらに地域密着した医療を行っていきたい』と締めくくりました。その後の10年はどう変化したのでしょうか。そのころから少子高齢化や地域医療構想などの諸問題が医療施設の経営を圧迫するようになってきました。その対応策として当院でも、在宅介護サービスをすべて行える総合ケアセンターと包括ケア病棟を平成26年に、30年には大分県で初めての介護医療院を開設して対応してきました」と歴史を振り返り、コロナとの闘いにもふれた。
その上で「平成14年に改正した理念。地域に密着した医療法人であり、医療、看護、介護、予防を行い在宅医療へ対応すると掲げました。当院はその理念に沿って改革してきました」と改革を強調。最後は「これからの70年、全職員が一丸となって頑張り、病院を後押ししてほしいと思っています」と締めくくった。
来賓の岩屋毅衆院議員、河野幸治県医師会長が祝辞を述べた。
同病院医師の鳥羽聡史感染対策委員長が「新型コロナ これまでのアレ これからのA・R・E」、黒木理事長が「これからの黒木記念病院」をテーマに特別講演した。
黒木記念病院はとくにリハビリが充実しており、高齢患者に寄り添いながら治療後は元気になって家族のもとへ戻れるようになったと、地域に愛されつづけている。