県と市でヤングケアラーの研修会

関係機関の職員らがヤングケアラーの
支援について研修を受けた

 大分県と別府市は20日、令和5年度ヤングケアラー支援研修会を別府市役所で開いた。市内でヤングケアラー支援に携わる関係機関の職員ら約70人が2回に分かれて研修を受けた。
 別府市から河野珠希ヤングケアラーコーディネーターが「別府市のヤングケアラーの支援体制と取組状況について」、大分県から吉田由美子ヤングケアラー専門アドバイザーが「多機関・多職種連携によるヤングケアラー気づき・支援の流れ」と題して、それぞれ講話した。
 別府市では、今年度から「こども部」を立ち上げ、こども家庭センターを設置。市内の小学校の4年生から高校2年生までを対象に、学習会とアンケート調査を実施している。河野さんは「子どもは知識や経験がなく、困りに気づけなかったり、家族以外に相談してよいことを知らない」としながらも、子ども達が家族のお世話にやり甲斐や誇りを持っているケースもあることも指摘。「本人や家族の意思を踏まえた支援が必要」とした。
 吉田さんは「小さい頃から家族をケアすることが当たり前の環境にあり、子ども自身やその家族がヤングケアラーであることを認識していない。本人たちは手伝いの感覚であり、ケアが日常であり、それが負担であるという感覚をあまり持たない。ヤングケアラー本人から積極的に発信することは難しい」と話した。事例をあげながら、どういった支援が出来るのかをみんなで考えた。