別府市とNPO法人別府温泉地球博物館は10月29日午前9時、「せーので測ろう!別府市全域温泉一斉調査」を開催した。今回で8回目。コロナ禍で、関係者のみで実施していたが、今年は4年ぶりに、一般市民も参加して行った。
調査に参加することで、温泉に科学の側面から触れてもらうとともに、資源としての温泉を考えてもらうきっかけにしてもらうのが目的。調査したデータは、公表される。
午前の部は、温泉施設に行って温泉の採取や温度などの測定を行った。事前に34カ所の調査を行い、当日は48カ所の泉源で実施。温泉サンプルを採取するとともに、温度の測定を行った。
午後の部は、9班に分かれてワークショップを行った。斉藤雅樹東海大学教授が「市民科学モニタリングとしての『せーのではかろう』」と題して講話。「専門家ではない人による科学を“市民科学”と呼んでいます。『せーので測ろう』は、まさに市民科学そのもの。専門家と市民が連携して、行政がバックアップする、理想的な市民科学」などと話した。また、山田誠龍谷大学准教授が令和5年度温泉一斉調査結果概要を報告。
引き続き、「アナタもできる温泉資源保護!未来へつなぐデータの収集・蓄積・活用」をテーマにワークショップを行った。調査した温泉ごとに、これまでのデータと「変化が激しい」から「変化なし」までを4段階に分けて、色違いの付箋で意見を書いていき、それを地図上に貼り付けて行った。温度だけを見るのではなく、全体的に変化があるかどうか、みんなで議論をしながら書いた。