11日から17日までは「税を考える週間」。熊本国税局の齋地義孝課税部長(58)が13日午後4時10分、立命館アジア太平洋大学(APU)で講演会を行った。国際経営学部の3回生以上約240人が参加した。
APUには世界各国から学生が集い、卒業後もグローバルに活躍する生徒もいることから「国際課税の第一歩」をテーマに、最近の動向や今後の社会と税について話をした。
齋地部長は、東京国税局に採用され、個人事業主の調査事務や確定申告事務などに携わった。令和4年から福岡国税局調査部、5年から現職。税は健康で文化的な生活を送るための「会費」だとして「社会は、支え合いで成り立っている。日本の財政全体でいえば、令和5年度の収入は約114兆円。税金として国の収入になるのは約6割。残りは、公債金といういわゆる、国の借金」と財政の仕組みについて説明。
国際取引をした時の国際課税について「地域や国によって課税が違う。国内にいる人、国外にいる人をしっかり分けて、課税の範囲を分けて、ルールを決めている。日本に拠点がなく、サービスだけ提供しているケースでは課税ができず、最近課題になっている。新しいアイデアに応じて税制も変えていかなければいけない。国と国の間では、関税もかかってくる」と話した。
課税関係の安定、二重課税の除去、脱税及び租税回避等のへ対応を通じて、二国間の健全な投資、経済交流をするための「租税条約」があることや、日本も概ね条約に沿った規定を採用している。経済のデジタル化に伴う課税上の課題への対応、新たな国際課税ルールの考え方、国際的な取引への対応などについて説明した。
また、APU卒業生で大分税務署法事課税第6部門で勤務する谷英典さんが「APUと熊本国税局とのつながり」と題して、仕事について話をした。