国税庁では、税務行政のDX(デジタルを活用した国税に関する手続や業務の在り方の抜本的な見直し)として、「納税者の利便性の向上」に取り組んでおります。
今回は、その一部について紹介させていただきます。
【年調ソフト】
年末調整の時期が近づいてまいりました。
「年末調整」とは、本年中の給与の支払の際に源泉徴収された所得税等と、給与の支払を受ける人の年間の給与総額について納めなければならない税額(年税額)との過不足を精算する手続です。
国税庁では、給与支払者及び従業員の、双方の負担軽減に資するため、扶養控除等申告書や保険料控除等申告書を電子データで作成できる年末調整控除申告書作成用ソフトウェア(年調ソフト)を無償提供(※)しています。
※スマホ版はQRコードから、パソコン版はマイクロソフトストアもしくはアップストアで「年末調整 国税庁」で検索することにより、年調ソフトが入手可能。
なお、年調ソフトのメリットは次のとおりです。
◆給与支払者
①申告書様式の入手や配付不要②従業員から提出された申告書の控除額や添付書類の確認の作業削減③従業員から申告書をデータで提出を受ければ申告書(紙)の保管場所不要(※)
◆従業員
①申告書の控除額はソフトで自動計算②データで申告書の作成・提出(※)ができれば紙印刷が不要
保険会社から控除証明書をデータ提供されていれば、更に③マイナポータルを利用して控除証明書を1回の操作でまとめて取得④控除証明書が申告書に自動転記
※従業員から給与支払者へのデータ提出はメールソフト等が利用可能。PDFファイルを用いた印刷も可能。
今年の年末調整は、年調ソフトの利用により、事務負担軽減を図ってみてはいかがでしょうか。
また、年末調整の手続の詳細については、「年末調整がよくわかるページ」(QRコード参照)をご覧ください。
なお、「複数の勤務先から給与をもらっている」「給与のほかに年金収入等がある」といった方につきましては、確定申告が必要となりますので、スマホでの申告をぜひ御利用ください。
【ダイレクト納付】
国税庁では、令和7年度までにキャッシュレス納付割合を4割とすることを目指し、キャッシュレス納付の利用拡大に取り組んでおります。
とりわけ、ダイレクト納付(イータックスによる口座振替)は、イータックスで申告等をした後に簡単な操作で口座引落しを行うことができ、令和6年4月からは、イータックスの電子申告時にダイレクト納付を利用する意思表示を行うことで口座引落しが行える予定となっております。
源泉所得税を毎月納付している方にとっては、大変便利な手続ですので、是非、利用をおすすめします。