女性アスリートの育成・支援プロジェクト

独立行政法人国立病院機構
西別府病院のスポーツ医学
センター長の松田貴雄氏が講義

 順天堂大学女性スポーツ研究センター主催でスポーツ庁委託事業女性アスリートの育成・支援プロジェクト「試行的実践校における講習会」を11日午後4時20分、別府市立西中学校(杉原勉校長)多目的ホールで開催し、同校運動部に所属する女子生徒と部活動教員ら約70人が出席した。
 中高部活動の女子生徒および女子生徒を支える学校関係の教員などが有効に活用できる情報をウェブサイト上に一元化したプラットフォームを今年2月に構築予定。このプラットフォームには、部活で競技を行う女子生徒自身が活用できるコンディション管理ツールや、運動部活動顧問の教員、養護教諭、栄養教諭、校医などが女子生徒を指導する際に活用できるマニュアルなどを掲載していく。
 また中高運動部活動の女子生徒、教員にとっても女性アスリートのコンディショニングに役立つ情報に触れる機会とすることが目的。別府市立西中学校を含めた大分県2校、東京都で2校の計4校で行う。
 同センターの桜間裕子特任教授・シニアマネジャーが趣旨を説明。
 独立行政法人国立病院機構西別府病院のスポーツ医学センター長の松田貴雄氏が「理想の身体は筋と骨で作れる!~相対的エネルギーの自己評価方法~」をテーマに講義した。動画を見た後、松田氏が「トレーニングに見合った糖質の多い食事をしっかり摂り、LBM(除脂肪体重)を増やしていきましょう。中高生はLBM、すなわち筋肉・骨・血液が増えて体重が増えることは当たり前。食事と補食を活用して糖質を充分に摂取し、エネルギー不足を予防しましょう」と述べた。
 続いて、すばる認定栄養ケア・ステーションの吉良明代氏が「エネルギー不足に陥らない食事(スポーツ栄養)」をテーマに抗議した。
 質疑応答で杉原校長が「効率的な鉄分の接種方法は」、西村花凛さん(2年)が「骨を作るために牛乳とかを飲んだ方がいいと言われていますが、それは本当なのですか」とそれぞれ質問し、松田氏らが丁寧に答えた。
 部活生を代表して亀井七晴さん(2年)が「いろんな話をしていただき、ありがとうございました。体重が増えると自分の脂肪が増えていると思っていましたがそれは間違いで、糖分を摂ったら体重が増えると思っていたことも間違いということが発見できたことが良かったと思いました」。
 陸上部顧問の阿部翔氏が「女性の身体が二次性徴で丸みを帯びることは当たり前のことで、講義の中で『体重が増えることは当たり前』という言葉が印象に残りました。体重が増えるけどパフォーマンスが上がらないのはなぜかと思っていましたが、エネルギーが足りていないことが知れたことで、今後の選手たちへのアプローチやトレーニングが変わります」とそれぞれお礼を述べた。
 最後に桜間氏が「女性アスリートダイアリー」について説明した。