一般社団法人日本肢体不自由者卓球協会は、杵築市にパラ卓球拠点整備事業を行い、12日午後2時、杵築市文化体育館でオープニングイベントを開催した。
同協会は、東京パラリンピック以降、パラ卓球の普及と選手強化を図るため、育成拠点を全国各地に整備する計画を進めている。2年間は同協会が経費を負担し、令和7年度以降は、国や県の補助金を活用して市の事業として行う方針。独立行政法人日本スポーツ振興センターの「課題解決型アスリート育成パスウェイ構築支援プログラム(地方公共団体と連携した育成環境の整備)」委託事業。
パラ卓球は、ルールは普通の卓球とほぼ同じだが、一部、特殊ルールもある。障がいの状況ごとにクラス分けがされている。
イベントには、パラアスリートでパリパラリンピック出場を目指している、七尾一輝選手(25)と中村亮太選手(21)が参加した。七尾選手は、クラス4。昨年、スペインオープン、イタリアオープン、全日本オープンパラ卓球選手権大会でいずれも優勝。全日本では団体戦でも優勝を飾り、現在、世界ランク5位。中村選手は、クラス5。全日本選手権で準優勝をするなど、活躍している。
主催者を代表して、宮﨑義仁日本肢体不自由者卓球協会ハイパフォーマンスディレクターが「全国に拠点づくりを進めていて、杵築市は4カ所目。拠点に来てもらい、健常者も一緒に練習をして、オリンピアンやパラリンピアンが生まれればと思う。元気よく、楽しく、拠点をフル活用してもらいたい」。
日本スポーツ振興センターハイパフォーマンス戦略部の松井洋子さんが「どの金メダリストも、地域の子どもだったという考えで、パスウェイを整える事業を行っています。杵築から世界に羽ばたくアスリートが生まれるように道づくりをしていきたい」とそれぞれあいさつ。来賓の永松悟杵築市長が祝辞を述べた。
引き続き、体験会が行われ、まずは七尾選手と松井選手がラリーを披露。力強いラリーに、子どもたちは見入っていた。その後、七尾選手と松井選手それぞれと対戦。世界で闘う選手たちからアドバイスをもらった。今後は、月2回程度、定期的に練習会を行う予定。