別府市議会の令和6年第1回定例会は21日午前10時、本会議を再開して一般質問の最終日となる4日目を実施した。
午前中は、美馬恭子氏(日本共産党)と重松康宏氏(公明党)が、子育て、介護保険、認知症、災害対策など幅広い分野で質問を行った。
午後からは、森山義治氏(市民クラブ)と安部一郎氏(自民新政会)が執行部の考えを質した。
介護人材の確保を
美馬恭子氏(日本共産党)
美馬恭子氏は、「第9期の高齢者福祉・介護保険計画」について、第8期との変更点について質問。
阿南剛・介護保険課長が「これまでの基本理念は変更せず、基本目標を掲げた。介護保険法に基づく計画は大きく変えることはなく、介護サービスのニーズを基に各種サービスの拡充を図る」と答えた。
美馬氏は「要介護者認定数は少しずつ増えている。訪問介護報酬が引き下げられ、信じられない、介護保険が崩壊するのではという声が聞かれる。継続させるためにも、介護予防、認知症予防、在宅支援が本当に必要。地域の声を拾っていくべきでは」と指摘。
阿南課長が「地域での声を拾う取り組みとして、地域包括支援センターに主に担ってもらっている。様々な関係機関との結びつきをもち、介護サービスや福祉支援につなげていきたい」と答えた。
美馬氏は「未だに介護施設では、1人夜勤をしている。1人で看るのは本当に大変。国が決める制度かもしれないが、別府市でもしっかり考えてもらいたい。事業所の声を聴き、介護人材確保を大きく広げてもらいたい。いきいきと働くことで経済の活性化も生まれるのと思うので、前向きに考えてもらいたい」と要望。
女性目線での災害対策について、「訓練等の準備段階から女性をもっと増やして意見を聞き、一緒に動くことが大切」とした。
他にも、学校給食や堀田温泉の状況などについても質問した。
認知症予防対策は
重松康宏氏(公明党)
重松康宏氏は、認知症高齢者の推移について質問。阿南剛・介護保険課長が「要介護認定上で、令和2年度5383人、3年度5532人、4年度5559人で、65歳以上全体に占める割合は、令和2年度13・7%、3年度14・1%、4年度14・3%」と説明。
重松氏は「要介護認定上の数字で、実際はもっと多いのではと思う。住み慣れた地域で尊厳と希望を持って暮らしていけるように取り組んでいることは分かる」とし、認知症医療の研修を受けた「オレンジドクター」についても質問。
阿南課長が「大分県が登録しているもので、別府市内は55人」と答えた。重松氏は「身近な地域のお医者さんがほとんど。フランス発症のユマニチュードという介護ケア技法がある。誰にでも実践可能。普及してはどうか」と質問。
阿南課長が「日本では、平成23年度から入ってきたケア技法の1つ。相手に心を開いてもらえる技法として有効と考えている。研修をしている所もあると聞く。取り組みを学びながら、検討したい」と述べた。
災害対策について重松氏は「災害時のケガの原因の30~50%が家具類の転倒、落下など言われている。家具固定の重要性をどう考えているか」と質問。中村幸次防災危機管理課長が「家具を固定することで家の中での災害を防止してほしい」とした。
他にも、国民健康保険税の産前産後免除などについても質問した。