別府竹製品協同組合(岩尾一郎理事長)は「第71回竹の感謝祭」を6日午前10時30分、八幡朝見神社で行った。同組合員や関係者らが出席した。
組合員を代表して、新しく伝統工芸士となった亀井真次さん、松田浩樹さんが神前に奉納する竹かご「四海波(しかいなみ)」を制作した。
2人は、幅2・7㌢、長さ3㍍のマダケのヒゴ16本を力強くかつ手早く編み、幅55㌢、高さ40㌢の「大四海波」を完成させた。それを見ていた出席者から大きな拍手が贈られた。
続いて、2人は「四海波」を奉納し、岩尾理事長、岩田弘副市長らが玉串を捧げる神事が斎行された。また、主催者の岩尾理事長、来賓を代表して岩田副市長がそれぞれあいさつした。
献籃製作をした亀井さんは「最近は一輪挿しの花入れ、日用雑貨的な小ぶりな盛りかごを作っています。日常の生活の中で使える、生活に潤いを与えるモノを作っていきたい。継続は大事だと思います」、松田さんは「別府竹細工の伝統的な竹工技術を継承し、技術の向上とともに暮らしに寄り添い、少しでも豊かな気持ちで使ってもらえるように、丁寧なものづくりをしていきたいと思います」とそれぞれコメントした。
岩尾理事長は「現在、竹の従事者はおよそ300人、組合関係者は約180人。今年は5人が加入しました。伝統工芸品産業の『産業』部分は、成果が挙がってきていますが、我々が作ったものをどう使っていただけるかという点では生活用品からアートに軸が移っているように感じます。私たちは業界団体の代表ですから『使われて』や『生活して』の中に使われることを臨んでいるのですが、傾向としてアート志向に移っていく。いかに産業の中に取り込んでいくかのせめぎ合いが始まっている時代。若い仲間と協力しながら別府竹細工を考えていく場になれば」と話した。
竹の感謝祭は、昭和29年から続いており、伝統的工芸品産業の成り立ちそのままに、自然の恵みを匠の技で形作るものとして、竹に感謝し、先達をしのび、参加者の懇親を目的としている。
「四海波」は、おめでたい席で謡われる謡曲にちなんだもの。四つ目編みを底にし、四辺を波の形に組み上げてまとめたかご。