第2回別府市議会定例会の一般質問④

 令和6年第2回別府市議会定例会は19日午後1時、再開し、一般質問を行った。2日目午後は、重松康宏氏(公明党)、阿部真一氏(自民新政会)、森大輔氏(新たな別府を創る会)ががん対策、救急車の適正利用、竹産業イノベーション、競輪行政、新たな別府の創生などについて質問した。

救急車の適正利用について

重松康宏氏(公明党)

重松 康宏氏

 重松康宏氏が救急車の適正利用について救急搬送の現状を「全国的に救急車の出動件数が増加しているが、別府市では出動の増加や搬送困難事案に対応するため、救急車1台の購入と救急隊1隊の増加に向けて取り組んでいるとのことだが、直近3年の出動件数は」と質問。
 後藤英明市消防本部警防課長が「令和3年が6483件、4年が7714件、5年が8357件」と答えた。
 重松氏が「令和5年の出動件数が過去最多、1日平均23件。これを4台の救急車で毎日運用している。増加の要因についてどのような分析をしているのか」と質すと、後藤課長が「救急件数は令和3年以降、増加しており、令和4年は呼吸器疾患とコロナの影響で急病が多く、5年はコロナ明けの影響もあり、社会活動が活発となった影響が急病・一般負傷とすべての種別において、約1割程度増えている」と答えた。また後藤課長は「これは全国の消防本部でも同様の状況で、新型コロナ後、病気への不安感が高まった要因や2025年問題である高齢化社会にあるように別府市も高齢者人口が横ばいとなっており、一人暮らし世帯など医療機関へ自身で行くことができないことが要因としてあるのでは」と説明した。
 そのほか、がん対策、スズメバチの巣駆除などについて質問した。

競輪行政について

阿部真一氏(自民新政会)

阿部 真一氏

 阿部真一氏が競輪行政の中期基本方針について「競輪最高会議が2021年から25年の5年間、全国の競輪業界全体の取組の方針を定めたもの。競輪事業の目的、現状の課題、社会還元の最大の利点は」と質問。
 山本直樹公営事業局事業課長が「競輪の目的は社会還元の最大化を鑑み売り上げと施行者収入とされている。令和3年度から7年度までの5年間の方針となっている。業界全体の売り上げ目標は7年度までに1兆円となっていたが、4年度に1兆1千億円となった。施行者収入目標は7年度までに230億円となっていたが、3年度に目標を上回る350億円となった。売り上げ目標を1兆2500億円、施行者収益目標を450億円に上方修正。目標達成に向けた取組を5年に追加方針として定めた」と答えた。
 阿部氏が「目標に達成に向けた取組、独自の努力は」と質問。山本課長が「一般会計の繰り出しをしており、令和4年度は6億円で全国1位。社会還元が市民に見える形になるよう、3年度から別府競輪地域振興事業補助金を開始。競輪選手の育成のための助成をしている。競輪事業の目的をより良く実現するために、競輪事業に地方公営企業法の規定を適用することで組織の見直しを図った」と答えた。
 そのほか、竹産業イノベーション、介護認定業務のデジタル化などについて質問した。

循環型地域経済について

森大輔氏(新たな別府を創る会)

森 大輔氏

 森大輔氏が域内所得の循環(循環型地域経済)を推進する必要性について「別府市は取組について具体的にどのように考えているのか」と質問。
 日置伸夫観光・産業部長が「観光産業の生産性の向上などを図る地域が一体となって取り組む必要がある」と答えた。
 森氏が「他市の事例を参考に考えてはどうか」と質すと、日置部長が「日本各地でしているので、今後は考えていく」と答えた。
 森氏が「人口減少に歯止めがかからない中、どのように別府市を元気にし地域経済を発展させて地域社会を活性化させていくのかを考えたときに、これからは『儲かる別府』を改めて『持続可能な町、別府』の実現に向けて別府市の域内経済循環を推進しながら、活力ある地域社会の形成にもつなげていかなければいけないと考える」
 「これまで頑張ってきた商店街、地場産業の皆さんが苦境に直面していることを考えると、地元の企業や地元の環境を守る視点が大事」と述べた。
 森氏は「別府市の生産性の向上、観光産業を中心に経済波及効果が生まれる産業構造の構築、市内でお金が循環する域内経済循環の推進の3点を取り組むことが、新たな別府市の創生につながると思うが、市長の考えは」と質すと、長野恭紘別府市長は「別府でしか得られない世界一の資源を使って、高付加価値化を進めていき、市内の事業者にしっかり稼いでいただく」と答えた。