別府市上下水道料金あり方検討委員会(蔵前達郎委員長、5人)は、料金値上げを「妥当」とする答申書を9日午後1時半、市役所で水道事業管理者でもある長野恭紘別府市長に手渡した。
4月から5回にわたって検討を重ねた結果、27年間、料金を据え置いてきたが「人口減少に伴う料金収入の減少、物価の高騰などにより経営状況はますます厳しくなる。企業努力だけでは、事業を継続していくことは困難」とし、料金改定の必要性を認めた。一方で、他の公共料金も値上げ傾向にあることから、市民の負担感が大きくならないように、できる限り改定率を低く抑えるように検討したという。
答申書では、水道料気については、料金体系は現行のままとし、料金水準を15%程度の改定が必要としている。新規加入金や手数料についても、「改定が適当」とし、5年を目途に検証を行うこととしている。
下水道使用料については、料金体系は現行のままとし、25%程度の改定が必要としている。5年を目途に検証を行うこととしている。いずれも、改定時期は、令和7年4月との考えが示された。
また▽世代間の不公平感がない料金設定▽生命を守る視点からのインフラ対策▽生命を守る視点からの人材対策▽コスト削減と自治体支援の拡充▽市民への説明、を付帯意見としてつけている。
蔵前委員長は「ある程度の値上げはやもえないというのが、全員一致した意見。市民の負担感は大きいが、後世に負担を残さないためにも必要。ただし、大きな影響を与えないように、段階的に値上げをすべき」と述べた。
長野市長は「市民にとって、水道事業は満足度の高い施策と言われています。持続可能な体制が重要な課題。いただいたご意見は、今後に生かしていきたい」と答えた。