「差別をなくす市民の集い」に270人

講話をする川口泰司・
山口県人権啓発センター事務局長

 別府市、別府市教育委員会、別府市共生社会実現・部落差別解消推進課は「令和6年度『差別をなくす市民の集い』」を20日午後1時30分、別府市公会堂2階大ホールで開催し、約270人が参加した。
 大分県では、昭和53(1078)年から同和対策審議会答申が出された8月を「部落差別等あらゆる不等な差別をなくす運動月間」と定め、講演会などの啓発を行っている。別府市では、市民の人権意識の高揚を図るため、運動月間中に同行事を行っている。
 主催者を代表して、阿部万寿夫副市長(市長代理)があいさつし、日名子敦子別府市議会副議長(議長代理)、寺岡悌二市教育長、安達美和子人権擁護委員別府地区会代表が紹介された。
 講師の一般社団法人山口県人権啓発センターの川口泰司事務局長が、「ネット人権損害と部落差別の現実~『寝た子』はネットで起こされる!?~」をテーマに行った。
 市民の感覚として▽今でも部落差別ってあるの?=身近に感じないので差別はない▽そっとしておけば、自然になくなる=「寝た子は起こすな」論。何も知らない人にわざわざ問題所在を知らせる必要はなく、そっと放置しておけば自然に解決する、という考え方の比喩的表現▽自分は差別しないから、関係ない=無知・無理解・無関心―と説明した。
 日本人の人権基準の高まり、「部落差別解消推進法」施行などについても説明した。
 ネット差別の現実として「SNSの特徴として、見たい情報にかこまれるフィルターバブル、信じたい情報を信じる認知・確証バイアスがある。またコロナ禍でフェイクやデマが拡散され、感染者の特定や個人情報を特定し『さらす』、ネット上での誹謗中傷など、もともとあった差別や人権課題、社会課題の解決の大切さが浮上している」と話した。