令和6年度「湯けむり歴史講座」に80人

講師を務めた久留島武彦記念館長で
文学博士の金成妍さん

 別府市教育委員会は「湯けむり歴史講座」を23日午後2時、別府市公会堂大ホールで開催し、約80人が参加した。
 同講座は今年12月まで全5回あり、今回が初回となる。
 講師は、金成妍文学博士兼久留島武彦記念館長。テーマは「別府史に残したい久留島武彦の足跡」。
 「私が大学の博士課程に上がったとき、久留島武彦さんの本に出会いました。2004年6月、玖珠町の久留島武彦記念館に行きました。その後、東京の国立国会図書館で『久留島武彦』でヒットするものを全て調べてみました。すごい人なんだが、きちんとした学術論文がないと分かりました。そして調べて論文を提出しました」と話した。
 「記録を見ると、久留島先生は明治20年、中学校に行く際、午前3時ごろ松明を手にして玖珠町を出発して、日出生台を通り、別府に来て泊り、翌朝、初めて別府の海を見たとあります」と話した。中学校生活や学んだことや夢についても説明した。
 「久留島先生は童話の口演を70歳の時に年間460回、85歳の時に年間110回行っており、計算したところ生涯の口演動員数は200万人以上と分かりました」と話した。
 「『人』という字は、人が一人で立っている横姿。天と地の間に立っているのが人間なんです。その人にしかできない生き方をしないといけない。そのためにも、久留島武彦の行動力、継続力を知ることが、皆さんの生きる上で役に立つと思います。生き抜く力のうえで、久留島武彦との出会いが一つの力になればと思います」と締めくくった。
 最後に質疑応答があり、参加者の質問に金館長が丁寧に答え、参加者が述べる感想を聞いていた。
 次回は、9月20日午後2時から同所で開催され、横山百合子・国立歴史民俗博物館名誉教授が「性差(ジェンダー)の日本史」をテーマに行う。