別府市議会は令和6年第3回定例会の一般質問を17日午後1時から、再開。午前中の途中まで質問をした森裕二氏(ビーワンべっぷ)が質問を続け、美馬恭子氏(日本共産党)、穴井宏二氏(公明党)が国保や学校教育、市役所の窓口サービスなどについて質問した。
別府つげ細工の現状は
森裕二氏(ビーワンべっぷ)
森裕二氏は、別府つげ細工について「浜脇一帯で作られていた。櫛などに家紋の透かし彫りをするもの。戦後再開されてからは、職人が増えたが、高度成長期により、早く、多く、安くで品質が落ちて、全国で売られるようになったが、昔のような高度な技術の作品はなくなったと聞いている。つげの木も国内で調達できていたが、近年は手に入れるのは難しく、外国産を輸入して加工していると聞く」と現状を説明。その上で「別府つげ細工は、別府独特のもので、なくしてはいけないものだと知ってもらいたい。現状をどう考えるのか」と質問。
市原祐一産業政策課長が「事業者の減少が続いている。以前は13社が加盟した、別府つげ加工協同組合がありましたが、平成17年に解散し、任意団体となっている。技術習得には長い年月がかかる。技術の継承を危惧している」と答えた。
森氏は「10年もすれば、別府からつげ細工が消えてなくなるのではと危惧している。伝統工芸といえば、竹細工だと認識はしているが、改めて掘り起こし、継承していくべきでは」と指摘。
市原課長は「産業として継承していくため、販路拡大などの補助事業を行っている。『別府たび』への掲載やふるさと納税の返礼品として登録している。さらに認知してもらえるように努め、実態調査や関係者との意見交換に取り組みたい」と述べた。
他にも、学校の掃除やプール授業などについても質問した。
料金改定は見直しを
美馬恭子氏(日本共産党)
美馬恭子氏は、上下水道料金の値上げについて、改定理由やモデルケースを質問。田原誠士上下水道局総務課長は「上下水道料金あり方検討委員会の答申を受けて、検討した。収支状況や共に施設更新や耐震化などの財源確保が難しいとされており、これらを検討し改定することになった。モデルケースでは、40立方メートル使用する家庭で、水道料金は5848円が6690円に、下水道使用料は4310円から5442円となる」と説明。
美馬氏は「約2千円近い、大きな値上げになる。経営に必要な料金は水道料金で賄われており、切迫した状況ではないかと考える」とし、「基本使用量が8立方メートル以下とあるが、そんなに使わない人に減免は考えないのか」と質問。
田原課長が「公平な負担をお願いすることから、特別な減免制度は設けていない。個別案件として対応する必要があると思う」と答えた。美馬氏は、基本使用量を5立方メートルに引き下げを提案し、改定見直しを求めた。
国民健康保険事業について「大分県は、令和11年度に、水準の完全統一化を図るとしている。メリットは」と質問。石崎聡保険年金課長が「保険税の変動が抑制され、運営が安定する」と答えた。
美馬氏は「命の砦といえる事業。基金を活用するなど、過度な負担にならないように協議して運営してもらいたい」と要望。学校給食や新図書館、文化・芸術などについても質問した。
デジタル化で窓口利便性は
穴井宏二氏(公明党)
穴井宏二氏は、「デジタル技術の進展で、サービスのデジタル化が飛躍的に伸びている」とし、「書かない窓口」について、内容について質問。
新貝仁情報政策課長が「デジタル社会の実現を目指す取り組み。住民票の写しなどをマイナンバーカードを使い、申請書の記入を軽減するサービス。市民の利便性を高めるものとして発案された。別府市では、令和5年度からマイナンバーカードを使い、申請書作成支援サービスとして、自動入力サービスを市民課窓口で行っている。毎月千人程度利用されている。高齢者や外国籍の人にとって窓口での負担が大きかった。窓口も、記載事項の確認が容易になった」と答えた。
穴井氏は「今後、さらにバージョンアップした取り組みができると思う」と指摘。新貝課長は「窓口業務の利便性高めるため、意義があるもので、導入拡大を図っていきたい」とした。
交通事故防止の中で、自転車の交通事故について「ヘルメットをかぶらない、携帯電話をしながら運転をしているなどの人を見る。不幸な事故につながるケースもある。自転車の利用者の安全対策の取組は」と質問。
堀英樹生活環境課長が「交通安全運動の期間中に街頭啓発の実施や市報などを通じて呼びかけをしている」と答えた。穴井氏は、ヘルメット着用の重要性について指摘した。
救急などの近隣自治体との相互応援や空き家の活用などについても質問した。