別府市議会の令和6年第3回定例会⑦

 別府市議会の令和6年第3回定例会は20日午前10時、一般質問を行った。
 4日目の午前中は、塩手悠太氏(有志の会)と野口哲男氏(創世会)が財政や観光行政について執行部の考えを質した。
 午後からは、市原隆生氏(公明党)と吉冨英三郎氏(自民新政会)が質問を行った。

宇宙産業に取組みを

塩手悠太氏(有志の会)

塩手 悠太氏

 塩手悠太氏は、「歳入では、自主財源の確保、中でも市民税の向上が課題であると思う。そのためには、一人ひとりの平均所得を向上させるための施策が重要だと思う」とし、産業構造の見解を質問。
 市原祐一産業政策課長が「別府市の主要産業は、第3次産業。観光業が盛んで、国内外から多くの人が訪れる。また、高度かつ専門的な医療機関が多い。主要産業と周辺の多様な産業の振興が必要だと思う」と答えた。
 塩手氏は「新たな産業の発掘・発展も進めていかなければいけないと思う」とし「競争原理が働いておらず、これから伸びてくる産業は何か。宇宙産業だと思う。世界に目を向けると、宇宙産業は年々拡大している。地上のシステム開発などビジネスチャンスが広がっている。20年後に当たり前になっているであろう産業に取り組むべき」と指摘。
 市原課長が「国は、宇宙産業を2020年は4兆円だったものを2030年初頭には8兆円にとしている。今後、動きが活発になると想定される。大分空港の宇宙港に向けた取り組みがある。別府市では製造業などの誘致は難しいが、食、観光、高付加価値化で長期滞在を目指す新湯治ウェルネスを目指すのが現実的。国や県の動きを注視したい」と答えた。
 塩手氏は「調査、研究を進め、総合戦略のなかに組み込んでもらいたい」とした。この他、都市計画や行財政、別府市の財政など幅広く質問した。

別府の観光戦略は

野口哲男氏(創世会)

野口 哲男氏

 野口哲男氏は、観光行政について「国の観光立国推進基本計画の第4次は最大の追い風になると思う。内容は」と質問。
 牧宏爾観光課長が「観光は成長戦略の切り札とされ、基本的な方針として、持続可能な観光地域づくり、インバウンドの回復、国内戦略とされている」などと答えた。
 野口氏は「総合計画を策定途中だと思うが、どのように取り組んでいくのか」と重ねて質問。
 牧課長が「ユニバーサルツーリズム、持続可能な観光地づくり、外国人観光客の受け入れ環境の整備、DMO(観光地域づくりを推進する法人)機能強化など。国の方向性と合わせつつも、別府特有の取り組みをしている」と答えた。
 野口氏は「別府版DMO機能強化があるが、しっかり計画を作って、実行をしてもらいたい。大事なことは、DMOの組織」と指摘。
 熱海の事例をあげて「民業を活性化させるために、宿泊税を導入している。別府市も考えていくべきでは。ビービズリンクの中でウェルネス推進も一緒になって運営していくのはどうか」と提案。
 長野恭紘市長は「ビービズリンクは、当初からDMOということで設立した法人。立てた戦略をオール別府で遂行できるかが大切。ビービズリンクを中心に戦略を成功できる体制づくりが大切」と述べた。
 野口氏は、人材育成の重要性についても指摘した。