伊方発電所の事故想定し避難訓練

伊方町三崎地域からフェリーなどで
別府市まで避難訓練を行った

 愛媛県西宇和郡伊方町にある四国電力株式会社伊方発電所で事故が起きた場合の原子力防災訓練が17日午後1時、別府市のコミュニティーセンターで行われた。大分県と愛媛県が協同して、避難受入などの訓練を毎年実施しており、別府市への避難は平成29年度以来、2回目。
 万が一、伊方発電所で事故が発生した場合、的確な情報収集及び対処を行い、県民の安全・安心を確保することが出来るように、訓練を行うことで職員の習熟を深め、災害対応能力の向上や協力体制強化を図るのが目的。
 伊方町で震度6強の地震が発生し、伊方発電所3号機の原子炉が自動停止。非常用炉心冷却装置による冷却材注入不能が発生し、原子炉格納容器が破損し、放射線物質放出による影響が発電所周辺に及ぶ危険が高まった、との想定で行われた。
 16日は、緊急時情報伝達訓練があり、国、大分県、愛媛県等がテレビ会議を行い、17日は住民避難・誘導訓練を実施した。伊方町三崎地域から、19人が国道九四フェリーで大分市の佐賀関港から県手配の大型バスに乗ってコミュニティーセンターまで移動した。到着すると、別府市の保健師から問診を受けるなどした。
 中村幸次別府市防災危機管理課長が、三崎支所の山田琉人主事に引き継ぎ書を手渡し、訓練が終了した。
 避難訓練には5回目の参加だという中村高律さん(69)は「もしもの時にはお世話にならなければいけない。(訓練は)スムーズにいったと思う」と話した。住民の避難は、大分県が事故の影響を受けていないことが大前提。中村課長は「訓練を行うことで、安心してもらえる対応ができると思う」と話した。