大分県警は19、20、21日、特殊詐欺被害の発生を発表した。被害金額は計約2489万円。
【警察官をかたったオレオレ詐欺】▽日出町在住の60歳代男性の携帯電話に8日、警視庁麻薬取締部の警察官を名乗る男から「あなた名義の口座を持っている犯人を捕まえた。その口座が犯罪に使われていることが分かった」という内容の電話があり、その後、別の警察官を名乗る男や検察官を名乗る男から「あなたが犯罪に関わっていないことを証明するためにお金の流れを確認したい」と電話で言われ、そのことを信じた男性が男から指定された口座に19日までに現金140万円を振り込み、だまし取られた。
▽中津市在住の50歳代女性の携帯電話に2日、「+(プラス)」から始まる番号から着信があり、大手通信事業者を名乗る男から「あなたの電話番号が詐欺に使われ、被害届が出ている」と言われ、警察官を名乗る男に電話が転送され「あなたの携帯電話番号が犯罪に使われている。逮捕されたくなければ、保釈保証金を払ってください」と言われた。その後、検察官を名乗る女に電話が転送され「今日中にお金を振り込んで欲しい」などと言われ指定された口座にお金を振り込んだ。
▽大分市在住の60歳代女性の自宅固定電話に9月中旬、大手通信事業者を名乗る女から「あなた名義の固定電話が不正に利用されている」と電話がかあり、さらに警視庁の警察官を名乗る男に代わり「逮捕した暴力団員があなたの名義の固定電話と口座を使っていた。あなたにお金を渡したと言っている。口座のお金を調べる必要がある」などと言われた。そして検事を名乗る男から「毎日ATMでお金を引き出してください。定期口座も解約してください」などと指示され、相手の指定する場所に紙袋に入れた現金を置き、約1500万円をだまし取られた。
【還付金詐欺】▽豊後高田市在住の60歳代女性方の固定電話に19日、日本年金機構職員を名乗る男から電話があり「2カ月分の年金の過払いがあります。送金するので今日中に手続きをしてください」などと言われた。女性が銀行名や携帯電話番号を教えると、男からATMに行くように指示された。女性が指定された場所に赴くと男から携帯電話に電話があり、男に指示されるまま2回にわたってATMを操作し、相手の口座に送金がなされ、計約68万円をだまし取られた。
【架空料金請求詐欺】▽竹田市在住の20歳代女性は9月下旬ごろ、「アプリのオペレーター業務」の副業を斡旋するサイトをインターネットで見つけ、同サイトでLINEの友だち追加をした。その後、LINEで相手とやり取りしたところ、相手から「副業を指南する講師への報酬を支払わずに逃げる人がいるので、保証として消費者金融と契約してください」「最初に報酬を支払ってください」などと言われ、報酬金など名目で、相手から指定された口座に2回にわたり、計155万円を振り込み、だまし取られる被害に遭った。
▽豊後大野市在住の70歳代男性が自宅のパソコンでインターネットを利用中の20日、画面に「トロイの木馬に感染しました」と表示された。男性が、同じ画面に表示された電話番号に連絡したところ、片言の日本語を話す男から「私の言うとおりにすれば、完全に元通りになります。コンビニで電子マネーカードを買ってきてください」と要求された。男性は複数回にわたり、コンビニで購入した電子マネーの利用番号をパソコンに入力し、計28万円分の利用権をだまし取られる被害に遭った。
県警は「警察官や検察官が現金を要求することは絶対にありません。還付金の受け取りのため、ATMへ向かうように指示された場合は詐欺です。副業サイトで現金を要求された場合は詐欺を疑いましょう。このような電話がかかったり、送金する前に警察や家族などに相談してください」と呼びかけている。