別府商工会議所の7~9月の景況調査

別府市内75社が回答した

 別府商工会議所はこのほど、2024年4月から6月の企業景況調査を発表した。今回で44回目。
 市内の会議所会員75社に、調査票を発送し回答を得た。調査項目は売上高、売上単価、資金繰り、借入難度、収益状況、雇用人員、自社の業況判断。
 今回の調査では「販路開拓において効果が大きかったもの」について尋ねた。選択肢は「その他」を含めて14項目用意。総合(全75社)で1位となったのは「口コミによる宣伝」の27社(回答率21%)であった。2位は「SNSの利用」(23社、18%)、3位は「経営者によるトップセールス」(13社、10%)と続いた。
 10%以上の回答率を示したのは上位3つだけであり、販路開拓に係る手段としては多様化しており「絶対にこれ」というものがないと考えられる。
 ▽売上高=総合DI(※DIとは、企業が「良い」と回答した割合から「悪い」と回答した割合を引いた数値。数値が高いほど良好)では1・3と前回の8・0より6・7ポイント悪化した。大分類ではもの造り関連の悪さ加減が際立っている。前回のマイナス4・5から今回はマイナス31・8と27・3ポイントも悪化している。
 ▽売上単価=総合では26・7(前回21・3)となり、売上高DIの悪化とは反対に本指標は前回より5・4ポイント改善した。前回比で比較すると、もの造り関連が13・7ポイント悪化(今回13・6、前回27・3)、卸小売業関連が15・0ポイント悪化(同10・0、同25・0)となった一方でサービス業関連は45・5の実績を確保しており、サービス業関連が総合のDI値を押し上げる結果となった。
 ▽資金繰り=総合ではマイナス17・3と前回(マイナス6・7)より10・6ポイント悪化した。3つの大分類全てで前回より今回調査の結果は悪くなった。業種別では宿泊・サービス業が前回と同値のマイナス7・7である以外は他の4業種で前回より悪化となった。
 ▽借入難度=小康状態を保っている。総合は0・0であり前回の1・3より少し悪化した程度。大分類ではサービス業関連がマイナス3・0とマイナス値ではあるが、前回はマイナス9・1であったとことから改善に向かっていると推察できる。
 ▽収益状況(経常利益)=総合ではマイナス12・0と前回(マイナス2・7)より9・3ポイント悪化した。業種別では売上高DIで53・8と良好であった宿泊・サービス業が0・0となったことが注目される。前回は30・8であったので強いブレーキが掛かってしまったようだ。
 ▽雇用人員=全業種でDI値が二桁のマイナスとなっている。最も悪い値は製造業のマイナス54・5であり前回(マイナス45・5)から更に9ポイントも悪化した。最も良い値は飲食業(マイナス25・0)で前回(マイナス20・0)より5ポイント悪化した。製造業の来期見通しはマイナス63・6と今回より更に悪くなると予想していることから製造業の現場では人材不足が深刻化していることが分かる。
 ▽自社の業況判断=前回ではプラス値が建設業(9・1)と飲食業(20・0)、宿泊・サービス業(15・4)の3業種あったが、今回では飲食業(5・0)と宿泊・サービス業(30・8)の2業種となった。建設業(マイナス45・5)は前回(9・1)比で54・6ポイントと大きく悪化しており、時間外労働時間の上限規制等経営環境が大きく変化したことも悪化の背景にあると推察される。