第3期総合戦略策定へワークショップ

長野市長らを前に現状分析や
課題解決策などの発表を行った

 令和7年度からはじまる「第3期別府市総合戦略」策定に向けて、市内の大学生と別府市の中堅・若手職員が現状分析や課題抽出、政策立案に取り組んでおり、23日午前9時半、長野恭紘別府市長や阿部万寿夫、岩田弘・両副市長を前に最終発表会を行った。
 ワークショップ形式で全6回行われ、地域幸福度(ウェルビーイング)指標を用いて、別府市の特長や魅力の分析、課題抽出と解決策の検討などをA~Fの6つのグループに分かれて話し合ってきた。
 はじめに、事務局の政策企画課からウェルビーイング指標の現状分析の説明が行われた。別府市民のウェルビーイングは、2023年度のアンケート調査の結果からみて、幸福度の平均は10点中6・5点。生活満足度もほぼ同様。主観(アンケート調査結果)指標と客観(統計データ)指標でみると、医療・福祉、公共空間、都市景観については、主観が客観を大きく上回り、移動交通、遊び・娯楽、自己効力感では客観が主観を大きく上回ったなどと説明があった。
 引き続き、グループ発表が行われた。グループごとに将来像を掲げ、子育て、遊び・娯楽、公共空間、健康状態、事業創造、買物・飲食など多くのテーマの中から8つの政策領域を決め、その中から特に取り組みたいこと、予算も考えた政策などについて発表をした。また、考えられるキーワードを使ってAIで作成した未来像の披露や、独自の質問項目や客観指標として追加するべきものなどについて話した。
 Aグループは「自分らしい暮らし、人生設計のできる別府市」を掲げ、子育てについて、支援団体を支援する政策などを発表した。Bグループは、「毎日温泉地獄!湯けむりシティパーク~温泉に入って、温泉を食べて、温泉を飲んで、心も体もハッピーに~」として、20~60代の働き世代の日本人移住者を呼び込み、10年後には別府に移住する「湯(ゆ)ターン」が人気となることを目指すと説明。Cグループは「つながり広がる、にぎわいあふれる別府へ!」として、雇用・所得の分野で、移住を希望する子育て世帯への支援を提案。
 Dグループは「大学生・20代の若い世代が活躍できる活気のあるまち」をテーマとし、8つの政策領域から特に起業を考えている大学生への取り組みを発表した。Eグループは「住み続けたい・関わり続けたいと思えるまち」として、幼少期から地域について学び、学生時代に成功体験を得て、挑戦ができるまちづくりを提案した。Fグループは「『遊び』で福祉・教育・地域づくりが広がり・進化するまち別府」として、若者にフォーカスして別府ならではの遊び・体験として、別府競輪場の活用などを発表した。
 発表が終わるごとに、長野市長が「子育て支援は、全国的レベルが上がり、サービス合戦となって取り合いになっているのが課題だと思う。希望が見いだせるようなまちづくりが大切」「夢のある提案。地方創生は、今あるものに磨きをかけることと人を育てることだと思う」「クリエイティブと温泉は相性がいいと思う」などと感想を述べた。
 今回のワークショップのOASIS研究を担当した、一般社団法人スマートシティ・インスティテュートの南雲岳彦代表理事から各大学、市職員の代表者に研修修了の認定書が手渡された。