明星小学校5年生42人が体験

VRを使って認知症の人が置かれた
状況を疑似体験する児童

 社会福祉法人別府市社会福祉協議会は「認知症フレンドリーキッズ授業」を17日午前11時30分、明星小学校1階なかよしホールで開催し、同校5年生42人が出席した。
 VR(バーチャルリアリティ)を使って、認知症の人が置かれた状況を疑似体験しながら認知症と共に生きる本人の思いを知り、地域で暮らす共生社会のあり方を考えることが目的。
 講師を、朝日新聞社の坂田一裕さんが務めた。4限目の午前11時30分から個人ワーク、認知症クイズ、認知症のある人の話、アニメーションを視聴した。
 個人ワークでは、今、児童が模造紙に「認知症」として知っていることとして「いろんな事をわすれてしまう」「物忘れがひどくなる」「家族のことが分からない」などを書いた。クイズの問題として「認知症は『お年寄り』になってなるものだ」「認知症はもの忘れする病気だ」「本人は苦しくて、つらい思いをいつもしている」と出され、答えは午後からのグループワークで発表された。実際に認知症になった蛭子能収さん=漫画家、タレント=のインタビュー映像を視聴した。
 坂田さんがポイントとして▽本人と家族、周囲の人は互いに支え合っていくことが必要―など3点を説明した。
 VR体験では、言葉や文字からだけでは想像しにくい認知症の症状として▽道に迷ってしまう▽階段を降りることがこわい▽まぼろしを見てしまう―の3点を体験。階段を降りる映像では、児童は「こわい」「助けてあげて」、まぼろしが見える映像では「恐怖映像だ」など悲鳴を上げる児童もいた。
 5限目の午後1時35分からは、クイズの答え合わせをし、午前中に体験したことを踏まえてグループワークを行い、自分たちの考えをまとめて発表した。