安全に安心して避難を

一般避難所から福祉避難所に
受け入れる訓練を実施

 日出町は16日午前10時、福祉避難所開設検証訓練研修を要配慮者の受け入れをする「福祉避難所の設置運営に関する協定」を結んでいる、介護老人保健施設サンライズ・ビューで行った。
 日出町では、町内の15施設と協定を結んでいるが、実際の訓練を行うのは初めて。昨年10月に「日出町福祉避難所開設・運営マニュアル」を策定しており、マニュアルに基づいて実際の開設や受け入れについて検証を行うのが目的。
 午前8時に南海トラフ領域を震源とする地震が発生し、日出町は震度5強の揺れを観測。大分県瀬戸内沿岸部に大津波警報が発表され、沿岸部の5026世帯、1万1024人に避難指示が発令された、との想定で行われた。約2時間が経過し、町中央体育館に開設された避難所に、車椅子の人と歩行に介助が必要な高齢の男性が訪れ、福祉避難所への避難が必要と判断されサンライズ・ビューへ受け入れを依頼し、施設が車で迎えに行き、受け入れを行った。和室に車椅子で利用できるようにブルーシートを敷き、プライバシーを守るためのパーテーションの設置、段ボールベッドを組み立てて準備。
 車が玄関前に到着すると、高齢の男性も車椅子に。準備した部屋に案内して「建物は丈夫なので、安心して過ごしてください」「体調は大丈夫ですか」などと声をかけをし、血圧測定などを行い体調確認をした。訓練には、理学療法士や支援相談員、ケアマネジャー、看護師、介護福祉士といった資格を持っている人や事務員も一緒に連携してスムーズな受け入れを行った。
 訓練終了後、田邉正宏事務長は「施設が被災していないことを確認し、受け入れをしました。訓練の流れは説明していましたが、役割は決めずにやりましたが、20分ほどで2人を受け入れる準備が出来ました。今まで漠然としていた受入態勢を整理できて良かったです。いつ起こるか分からない。訓練の検証結果を参考に考えていきたい」と話した。
 訓練を見た安部徹也町長は「先日も日向灘を震源とする地震が起きており、南海トラフ巨大地震の確率も高まっていると言われている中で、初めての訓練を行い、課題はいくつかあったと思います。今後精査して、実際に起きた時に安全に避難できる体制を整えていきたい」と述べた。