別府大学は玖珠町産大麦粉と米粉を使った「おおいたパンケーキ」を商品化したとして発表会を20日午後2時、同大学35号館1階実習食堂で行い、約20人が出席した。
別大は、2017年度より文部科学省の事業「地(知)の拠点大学による地方創生推進事業(COC+)」をきっかけに玖珠町産大麦(もち麦)を活用した玖珠町の活性化に取り組んでいる。21年度には県内企業と連携し玖珠町産大麦粉を使った「つるつるもち麦うどん」を商品化。さらなる大麦粉の消費拡大と認知向上をめざし、大麦粉と玖珠町の特産品の米粉を使ったパンケーキミックス「おおいたパンケーキ」を開発。これは食事系・スイーツ系にもなり、かついろいろな料理に展開できる。配合レシピを、同大学食物栄養学科の学生が取り組み、商品のパッケージデザインを国際言語・文化学科の学生が担当した。23日から杉乃井ホテル売店などで購入できる。
発表会の出席者は▽連携企業=梶原龍馬農事組合法人浦の原受託組合長、甲斐祐介ライスアルバ(株)代表取締役兼CEO、健木良太郎一般社団法人くすここのえ産直ネット農産物直販事業代表理事、桑野英司一般社団法人玖珠レーベル常務理事▽別府大学=阿波野敦哉さん、安東ななみさん、稲垣空美さん、猪尾安咲さん、氏原萌々香さん、金丸英仁さん(食物栄養学科4年生)、田中悟さん(国際言語・文化学科3年生)、根之木英二国際言語・文化学科特任教授、陶山明子、梅木美樹両食物栄養学科教授▽公益財団法人大分県産業創造機構=東原剛地域産業育成課スタッフ▽大分県玖珠町役場=穴井良治農林課農政班主幹(統括)―の16人。
会では、商品化について阿波野さん、安東さん、稲垣さん、猪尾さん、氏原さん、金丸さんが、パッケージデザインについて田中さんがそれぞれ発表した。
梶原組合長が「2015年ぐらいからもち麦の生産をしています。17年度から別府大学とコラボして商品を開発してきました。私たちは生産はできますが、加工、開発にたどり着けませんでした。今後も商品化ができればと思います」とあいさつ。
桑野常務理事が学生一人ひとりに商品開発に伴うお礼を手渡した。
最後に、梅木教授が「私は玖珠町出身です。ここにいる学生は玖珠町が故郷ではないのですが『玖珠町を元気にしたい』『大麦に興味があります』ということで、卒論のテーマとして取り組んでいます。玖珠町の代表になるような商品ができたらいいなという思いで、2年がかりで取り組んできました。連携企業の方がかなりサポートしてくれました。それでやっとできたと思っています」と締めくくった。
記念撮影後、調理室で女子大学生が「おおいたパンケーキ」を使って一枚ずつ丁寧に焼いたパンケーキが到着すると出席者は試食した。出席者は「噛んでいると甘味を感じ、大麦の香りが鼻孔を抜ける。食感も米粉のもちもち感と、大麦の香ばしさがあり、素朴な味わい」と高評価だった。
商品開発に携わった学生の猪尾さん(21)は「今は販売までは行けていませんが、形になって嬉しい。大学ではみんなで遅くまで試行錯誤していたので、報われた気持ち。先輩の思いなどを引き継いで行っていたので、最後までできて良かった。買った人はいろんなアレンジレシピを作ってほしい。私のおすすめは『パウンドケーキ』。オーブンで焼いたときの大麦の香りが、食欲をそそります」と話した。