別府市は、宿泊税の導入について検討を行う「別府市宿泊税検討委員会」を立ち上げ、3日午後3時、市役所で第1回委員会を開いた。
地方自治体は、地方税法に定める税目以外に条例によって「法定外税」を新設することができ、宿泊税は法定外税に当たる。創設に当たっては税の意義を十分理解した上で、慎重かつ十分な検討が重要となる。宿泊税は、東京都が平成14年10月に導入したのを皮切りに、現在11の地方公共団体で導入され、4月から導入を予定する自治体や今後、導入を検討する自治体も多い。宿泊施設等が宿泊者から特別徴収し、自治体に納入されるもの。大分県内で導入を検討するのは、別府市が初めて。
別府市では、これまで平成31年4月から、入湯税の超過課税を特例措置として5年間導入し、さらに5年間延長している。
検討委員会は学識経験者や観光関係団体、宿泊関係団体など12人で構成され、大分県がオブザーバーとして入っている。
長野恭紘別府市長が委員を代表して、吉澤清良立命館アジア太平洋大学サスティナビリティ観光学部教授に委嘱状を手渡して「人口減少社会の中にあって、将来有力なこれからの産業として国は観光を中心に据えて、2030年にはインバウンドで6千万人、15兆円稼ぐという具体的な目標を掲げています。喜んで別府、大分県にきて、喜んでお金を落として満足して帰ってもらうためには、成長分野である観光に適切な投資をしていかなければいけないとずっと考えてきました。お金をただ集めるのではなく、払ってもらう皆さんの納得感、満足感、徴収する皆さんも納得をしてちゃんと説明ができるものにしなければいけないと考えています。それぞれの分野で専門的な知見をお持ちなので、議論を重ね、観光地経営をいかに進めていくか前向きな議論のキックオフとなる」とあいさつ。
委員長に吉澤教授、副委員長に倉原浩志別府商工会議所専務理事を選任。吉澤委員長は「地域観光振興をやっていました。観光の振興には財源が大きな課題になっていると感じていました。一番大切にしなければいけないのは、納得感があるものを報告するために議論を尽くさないといけない。皆さんの意見を十分に議論をした上で、最終的な報告をしていきたい」と述べた。
長野市長から吉澤教授に▽宿泊税の導入の必要性▽課税要件、制度内容の検討▽導入に係る課題、問題点▽その他導入に関して必要な事項についての諮問書が手渡された。協議は非公開で行われた。今後、宿泊事業者へのアンケート調査などを行い、令和8年度には報告書をまとめて市長に答申する予定。