第25回記念別府アルゲリッチ音楽祭開幕

ピアノを演奏する鈴木愛美さん

 第25回記念別府アルゲリッチ音楽祭のオープニングを飾る「世界へ羽ばたく音楽家たちVol・14 鈴木愛美ピアノリサイタル」が20日午後2時、しいきアルゲリッチハウスで開催し、市内外から126人が訪れた。
 今回の音楽祭のテーマは「アルゲリッチの軌跡~限りなき地平線へ 過去を学び 現在を生き 未来を描く」。
 長野恭紘別府市長が「記念すべき25回目です。この音楽祭が開催できるのは、マルタ・アルゲリッチ総監督をはじめ、伊藤京子プロデューサーや多くのスタッフの皆さん、ボランティアスタッフの皆さんの思いを胸に25回の重みが積み重なって今回を迎えることができたと思います。別府で本物の音楽に触れることができる文化が、根付いていることはとても素晴らしい環境。第25回記念アルゲリッチ音楽祭の開会を宣言します」と開会宣言をした。
 開幕は鈴木愛美さんのピアノでスタート。鈴木さんは、2002年生まれの大阪府出身。大阪府立夕陽丘高等学校音楽科を経て、東京音楽大学器楽専攻(ピアノ演奏家コース)を首席で卒業。現在は同大学大学院修士課程に特別特待奨学生として在学中。2020年度より毎年「東京音楽大学ピアノ演奏会~ピアノ演奏家コース成績優秀者による~」に出演。第92回日本音楽コンクールピアノ部門第1位および岩谷賞(聴衆賞)。24年の第12回浜松国際ピアノコンクールで日本人初となる第1位および室内楽賞、聴衆賞を受賞した。
 演奏曲は▽ピアノ・ソナタ第9番ロ長調op・147D575▽《高貴なワルツ集》op・77D969▽《3つのピアノ曲》D946より第2番変ホ長調▽ピアノ・ソナタ第18番ト長調《幻想曲》op・78D894―の4曲で、1曲終わるごとに大きな拍手が贈られた。アンコールの「楽興の時 第3番」(シューベルト)で締めくくった。
 伊藤京子音楽祭総合プロデューサーは「毎年1回目が始まった感じで、25回目を迎えました。慣れることがないので、毎年1回目という気持ちで緊張感を持って行っています。その気持ちがあったからこそ、25回目を迎えられたと思います」と述べた。
 大分市在住の男性は「弱音がすごくきれいでした。別府まで来て聴く価値がありました。すごく良い演奏でした」。
 別府市在住の女性は「強音が強さだけでなく華やかさがありワクワクしました」。
 別の別府市在住の女性は「とても意思のある音、深くて良い音でシューベルトのリートを思い出す様なやわらかいメロディとの対比がとても印象的で感動いたしました」。
 北九州市在住の女性は「生で聴きたくて北九州から参りました。美しい音色が個性的で今後も楽しみにしております」とそれぞれ話した。