
杵築市は、合併して出来た新杵築市制の施行20周年記念式典を3日午後1時、杵築市文化体育館で開催した。
現在の杵築市は、2005(平成17)年10月に杵築市、山香町、大田村が合併して誕生した。初代市長は、八坂恭介氏。2013(平成25)年には「教育立市宣言」を行い、この年の10月に現在の永松悟市長が就任。2015(同27)年に10周年記念式典を実施している。この20年の間に、小学校の統廃合が進んだり、武家屋敷跡が残る北台と南台が「重要伝統的建造物保存地区」に指定された。新たな市立図書館や市立杵築中学校が完成、市立山香病院が医療MaaS車両を導入して離れた場所でも診察ができるようになるなどした。一時は財政危機もあったが乗り越えてきた。
式典では「新杵築市20年の歩み」のビデオ上映が行われ、20年間を振り返った。オープニングアトラクションでは、県立杵築高校のブラスバンド演奏で華やかに幕を開けた。「杵築市ふるさと親善大使」の歌手・あべ由紀子さんが国歌を独唱。
永松市長が「新杵築市発足後は、めまぐるしく変化する社会情勢に加え、気候変動による自然災害の激甚化・頻発化、近年では新型コロナのまん延など激動の20年でした。しかし、本市が困難を乗り越えてこられたのは、市民の皆さんの郷土を愛する熱意と本日ご隣席の皆さんのご支援とご協力のたまものです。新市の一体感の醸成はもとより、各地域の特性を尊重しながら地域振興や生活基盤の整備、市民福祉の向上に取り組んできました。今年は、第3次総合計画のスタートの年でもあります。計画を着実に実施し、これから進む未来に向けて、先人たちから受け継いだ素晴らしい文化や伝統を次世代に確実に引き継ぐと同時に、誰もが愛着と誇りを持っていつまでも住み続けたいと実感できる町の創造に努めたい」と式辞。泥谷修市議会議長が祝辞。
来賓の佐藤樹一郎大分県知事は「杵築市は眺望の美しい海岸線に位置し、山に囲まれた自然豊かな地形を有し、歴史情緒あふれる市街地の街並みが多くの人に親しまれています。町の歴史と風情を現在に伝える重要な遺跡や文化財が多く残されています。県も新たな長期ビジョンのスタートの年。多様な主体と取り組みをしている。引き続き、ご協力をいただきたい」。吉川元衆議院議員、古庄玄知、吉田忠智両参議院議員、地元選出の阿部長夫県議がそれぞれ祝辞を述べた。
20周年を記念して特別功労表彰などが行われ、受賞者を代表して、河野正治元市議会議長がお礼を述べた。
引き続き、杵築藩の藩医であった佐野家の14代当主の佐野武公益財団法人がん研究会有明病院長が「杵築藩医の末裔が考えるこれからのがん医療」と題して講演。エンディングアトラクションとして、杵築高校の書道部と吹奏楽部による書道パフォーマンスで締めくくった。表彰を受けた人は次のとおり(敬称略)。
【特別功労者表彰】▽自治部門=清末陽一(元教育長)▽市議会議長経験者=河野正治、渡辺雄爾、藤本治郎、堀典義▽議員在職20年以上=小春稔、加来喬▽保護司25年以上=小岳和久▽交通指導員25年以上=門克典、河野光生、帯刀則夫、藤原今朝見▽少年補導員25年以上=酒井幸敏、田川尚之、峯松智昭
【新杵築市制施行20周年記念事業表彰】▽ロゴマークの部・最優秀作品=廣岡瑠唯(岡山県)▽同・優秀作品=片野善次郎(大阪府)新田憲明(香川県)▽キャッチフレーズの部・最優秀作品=寺戸優人(東京都)▽同・優秀作品=白瀬美智男(福島県)山影敏康(静岡県)▽スマホフォトコンテストの部・最優秀作品=後藤廉▽同・優秀作品=平方豊、矢野央▽同・佳作作品=後藤留美、市原拓哉、酒井健太、川原徳子、小田輝