
(前列右から)宮川健太副支店長、山口智美主任
別府警察署(羽田優一署長)は24日午前9時20分、特殊詐欺被害防止をした2人に感謝状を贈呈した。
受賞者は、大分みらい信用金庫山の手支店の宮川健太副支店長(51)=大分市大字横尾=、同支店の山口智美主任(38)=大分市王子中町=の2人。見たい信用金庫営業推進部代理地域にぎわい振興グループの吉野可奈子さんが同席した。
感謝状を贈呈した羽田署長は「2人の高い防犯意識と勇気ある機転のある対応のおかげで、お客さまの大切な財産が卑劣な詐欺集団にだまし取られることなく、守ることができました。今後とも犯罪の予防と被害防止のご協力をいただきますよう」と謝辞を述べた。
2人の功労は、今年9月3日、勤務する山の手支店に来所した高齢女性のATMコーナーで「振り込み先が分からない。仮想通貨を扱う銀行に振り込む」などの言動から、山口主任は特殊詐欺の被害を疑い、上司の宮川副支店長に報告。振り込みの経緯を尋ねたところ、「話したいけど話せない」などと言われ、特殊詐欺の被害に遭っていると確信し、警察に通報した。
宮川副支店長は「金融機関に勤める者として、お客さまの大切な預金を守ることができ、大変うれしく思います。今回は『仮想通貨』というキーワードがありましたが、非常に不自然なところが多くありましたので、そのような部分を見逃さずに特殊詐欺を防止しなければならないと一番初めに思いました」。
山口主任は「ATMで振り込みに来たのですが、振込先の銀行や支店名が分からなかったし、不自然と思いました。いったん外に出て戻ってきたときに、振込先の銀行や支店名を仰ってましたが、誰に電話して教えてもらったなどは一切教えてもらえなかったが、『仮想通貨』と言ったので上司に報告しました」
「一つひとつの相談に対して、お客さまの目線で対応していけたらと思います」とそれぞれ当時の状況や感想を述べた。
別府市内の今年に入り23日までの特殊詐欺の被害件数は25件(対前年同期比同数)、被害金額は約4279万円(約2745万円増)となっている。