太陽の家が創立60周年記念イベント

座談会で共生社会について語った
河合長官、成迫県議、山下理事長(左から)

 社会福祉法人太陽の家(山下達夫理事長)は、創立60周年記念イベント「インクルーシブひろば2025」を4日午前9時半、同所で開催した。
 「50mリレーに参加した最多ペア数」でギネスに挑戦。10月1日に就任したばかりで初の地方公務となった河合純一スポーツ庁長官がスターターを務め、長野恭紘別府市長と山下理事長が「第一走者」に。身体や視覚など様々な障がいのある人や外国人留学生など障がいの有無や年齢、性別、国籍などの違いを超えて参加者同士がペアを組み、タスキをつなぎながら走るインクルーシブなリレーで、厳正なルールの下、笑顔でタスキをつなぎ、ギネス記録を達成した。
 河合長官が「スポーツによる共生社会の実現」をテーマに講演した。河合長官は静岡県出身。生まれつき視力が弱く、15歳で全盲になった。競泳で高校2年生の時バルセロナを皮切りにパラリンピック6大会に出場。金5個を含め、多くのメダルを獲得。2020年日本パラリンピック委員長、東京パラ、北京パラの団長などを務めた。
 河合長官は「目が見えないから出来ないのではなく、どうすれは出来るのかを考えること。車椅子の人が階段をのぼりたいとして、足が動かないこと、車椅子、階段しか手段がないどれが障がいか。エレベーターやスロープがあれば活動をする上での障壁がないといえる。社会的な障がいの捉え方が変わりつつある。よく『障害を乗り越えて』と言われるが、見えない中でどうすれば早くなれるか追求して、金メダルをとれた。障がいを乗り越えたわけではない」とし、共生社会の実現については「目指すべきは、インクルージョンであり、その先にあるイノベーション。フルーツポンチのような世界こそが目指すべき社会だと思う」と話した。
 また、河合長官、山下理事長、2009年の北京パラリンピックに出場した成迫健児県議による座談会も行われ、それぞれ共生社会の実現について話をした。
 会場では、体験コーナーが行われ、元プロボクサーの坂本博之さんが車いすボクシングを指導したり、車いすバスケなどのパラスポーツ体験、eスポーツ体験、東京2025年デフリンピックPR、九州電力グループによる発電ブース、ヴェルスパ大分のサッカー体験などのコーナー、飲食ブースもあり盛り上がった。