ロータリアン故金正司さんの挑戦

別府東RCメンバーに囲まれた
故金正司さん(中央)
パキスタンで現地の子ども達に
ワクチンを投与する

 13日昼すぎ、別府東ロータリークラブ(沼田守生会長)の例会で、1人のベテランロータリアンをビジターとして迎えた。
 岐阜県岐阜市の岐阜中RC=1990(平成2)年創立の21代目会長をつとめ、R歴30年を越す=故金正司(かるがね・しょうじ)さん(76)。RIが提唱する地球上からポリオを撲滅する運動をPRするため、日本列島を愛車のホンダレブル250CCで走破するため11日に大分に到着、別府で15000キロの旅を迎えた。
 故金さんは48(昭23)年、京都府宮津市の生まれ。生業は病害虫の駆除事業を75(昭50)年にスタート。93(平5)年に友人のすすめにより岐阜中RCに入会。2010(平22)年に会長、地区環境保全委、青少年育成、地区ポリオ委員会に所属してポリオ撲滅がライフワークに。20(平32)年にはパキスタンを訪問して、子ども達に経口ワクチン投与のボランティアをはじめ、これまでに3回の訪問を重ねた。RI宿願の「ポリオ根絶」は80年代からスタート、現在パキスタン、アフガニスタンの2国のみとなった。
 故金さんは若い頃はモトクロスの選手として活躍した。今回のチャレンジはポリオ根絶の意識拡大、被害地の実情、ロータリアンの使命などを訴えて訪問先のロータリアンに生の声で、感染被害そして、ロータリアンとして何が出来るかを説くため愛車のアクセルをふかす決断をした。
 全国走破のスタートは今年4月14日に日本で初めて「ポリオ根絶」の産声の上がった東京都中央区麹町のRC。以降関東、北陸、東北、北海道、関西、山陰から四国、11月に神戸からフェリーで大分-宮崎を経て九州一周、12月に福岡から故郷の岐阜へは師走のはじめ。自身の誕生日と岐阜中RCの創立記念日に華を添えることができそう。
 これまでに全国80のRCを訪問、善意のこもった浄財は約70万円を得た。これは地区を通じRI本部に届けるという。
 バイクで疾走する時にRカラーの赤を基調とする「ポリオプラス」のTシャツを纏う。世界の子どもの命を救う「奉仕の理想」は、77を迎えようとする、自身への挑戦の色でもあるようだ。